食関係の業務に携わり始めると「食品衛生責任者」の講習受講を検討しますよね。実際どういった内容のことを勉強して、雰囲気はどんな感じなのでしょう?全国的にポピュラーな講習なだけに気になりますよね!
そこで、実際に茨城県内の講習を受講した筆者が解説します。
この記事では、食品衛生責任者の簡単な概要、受講資格、当日の養成講習会で学ぶ内容、雰囲気と心構え、をご紹介しています。
これで食品衛生責任者について理解が深まりますように!
食品衛生責任者とは
簡単な概要
食品衛生責任者とは、養成講習を受講した人(例外を除く)で、食品衛生責任者として選任されている人のことを指します。
食品の製造、加工、包装、販売、流通、消費に至るまで、食品を取り扱う一連業務のなかで従業者に衛生意識を周知徹底させる役割を担います。
例外にあたる資格を保持している人(例えば医師、歯科医師、獣医、薬剤師、栄養士、調理師、製菓衛生師、食鳥処理衛生管理者、船舶料理士など)は養成講習の受講を免除されます。
もう少し簡単に言うと、食品に関する事業を行う人が取得しなければならない公的資格です。
食品衛生責任者は、営業所に必ず設置しなければいけないことになっています。食品衛生法という法律に則り決まりが設けられています。
養成講習は全国の自治体(県単位)で行っていて「食品衛生責任者、○○県、養成講習」と検索すれば開催日時が表示されます。各自都合のいい日程と場所を選択して申し込みを行います。
人気なのでわりとすぐに定員になってしまうこともあるみたいです。
食品衛生責任者の制度が現在のように整った背景には、食品による大規模な健康被害事件を受けて営業者の法的責任が強く求められるようになったことがあるそうです。
1968年に発生したカネミ油症事件などがその一例ですね。これは米ぬか油を製造する過程で化学物質が入り込んでいたことに気が付かず、多くの人が口にして健康被害があった事件です。
受講資格
食品衛生責任者の養成講習は誰でも受講することができます。
例えば、今すぐに飲食店などをやるわけではなく直近で資格は必要ない!という方でも受講可能です。社会勉強で受けてもOKです。
ただそういう人は少ないと思います。費用もかかりますし。ちなみに私が参加した時(2020年8月時点)の受講料は講習代・テキスト代を含め10,000円(税込)でした。当日現金で回収されました。
さきほども記載した通り、以下の資格をすでに保持している人は改めて養成講習を受けなくて大丈夫です。
※医師、歯科医師、獣医、薬剤師、栄養士、調理師、製菓衛生師、食鳥処理衛生管理者、船舶料理士など。
ちなみにこれから食品衛生責任者の養成講習を受講しようか迷っている人向けに、資格が必要となる業種一覧を以下に添付しておきます。都道府県が政令で定める業種は34種あります(自治体によってその他追加あり)。
当日のスケジュール
養成講習会で学ぶ内容
具体的に講習会で学ぶ内容をご紹介しておきます。
時間割はこんな感じです。朝から夕方まで一日がかりの講習です。
カリキュラムは、以下の時間数となります。
公衆衛生学…1時間
食品衛生法及び関係法規…2時間
食品衛生学…3時間
言葉だけ見ても大体どんなことを学ぶのかイメージが湧かないと思いますので、テキストの目次をご紹介してみます。
作業環境、健康管理、食中毒、食品の取扱い方、HACCP(ハサップ)、事故発生時の対応、などがキーワードです。
法律関係の学習だと、衛生法規、表示の決まり、食品添加物、残留農薬などがキーワードとなります。
「衛生法規」という言葉がとても大切なので、詳しく解説しておきます。
衛生法規は、日本国憲法第25条の理念に従い、国民の健康の保持・増進を主な目的とする法律です。体系図を見ると分かりやすいです。
このうち、食品の取扱いに従事する者として特に理解しておかなければならないのは、一般衛生法規のうち公衆衛生法規だと言われています。
そのため養成講習ではそこを重点的に勉強するんですね。
雰囲気と心構え
私が受講した時は、45名程度の参加者がいました。講師は県内で活躍するベテランの獣医さんでした。
養成講習にテスト等はありません。テキストに沿って講師の方がお話してくれるのをひたすら聞いている感じです。講師によっては、自作のパワポプレゼンがありました。
正直聞いているだけの時間なので、眠気が襲ってくる瞬間もありました。あとは長時間椅子に座っているので、お尻が痛くなりました。気になる方は座布団を持参するといいかもしれません。
養成講習は最初から最後まで参加していないと、講習を受けたことにはなりません。途中退室ができないんですね。ですので、スケジュールはばっちり丸々一日確保しておく必要があります。
長い講習が終わると、修了証書と食品衛生責任者プレートが頂けます。プレートは店舗や営業所の見えやすい場所にかけます。
とても長い一日になりますが、以上です!
まとめ
ここまで食品衛生責任者についての基礎知識と当日の様子についてご紹介してきました。受講内容やテキスト、申し込み手順は各県によって違いがありますので、軽く参考にする程度にして頂けたら嬉しいです。ではまた。