民泊を運営する場合、書類を集めて各都道府県へ届け出て許可をもらう必要があります。県から許可がおりるといよいよ民泊運営が出来るようになるのですが、いくつかやっておかなければいけないことがあります。そのうちの一つが「水質汚濁防止法の特定施設」の届出です。言葉が難しくてなんじゃそりゃ?って感じですよね。
そこで、実際に届出を済ませた筆者が図解しながら解説します!
この記事では、水質汚濁防止法の特定施設の届出とは何か、書類提出の全体的な流れ、届出書類の書き方をご紹介しています。
これで、厄介な書類もばっちり提出できるようになりますよ!
※この記事では茨城県の民泊を例にとって解説しています。他県、異なる業種などを検討されている場合、詳細は各自治体にご確認ください。
※2021年9月1日より住宅宿泊事業の届出に最低限必要な要件のうち「水質汚濁防止法上の特定施設の届出」および「下水道法に基づく使用開始届出の提出及び水質の測定の実施」は不要となりました。
「水質汚濁防止法の特定施設」の届出とは
まず言葉が分かりにくいので、丁寧に読み解いて分かりやすくしてみます。
水質汚濁防止法の特定施設の届出=
水質汚濁防止法という法律の中で「特定施設」と呼ばれる排水施設(人の健康や生活環境に被害を出す恐れがある汚水を排出する施設)があり、民泊もほとんどが「特定施設」にあたります。そこで「特定施設」にあたっている民泊を始める以上、どんな場所で営業するのか詳細を書いて提出してください。
ということです。
つまりやる作業としては書類に民泊の情報を書いて、郵送もしくは直接届けに行く、ということになります。
郵送先については、民泊を運営するエリアごとに決まっています。民泊の届出を県にする際ついでに確認しておきましょう。もしくはこちらから聞かなくても、県の担当者から指示されると思いますのでそれに従います。
例えば、私の場合は茨城県行方市(鹿行エリア)で民泊を始めたので、郵送先は茨城県鹿行県民センターでした。担当の課は、環境保安課(公害防止・産業保安)。
書類提出の流れ
書類提出~完了までの全体的な流れを紹介しておきます。
- 県から民泊運営の許可がおりる。
- 水質汚濁防止法の特定施設の届出について指示を受ける。
- 自分でエリアごとに決められた事務所へ電話して、これから運営しようとしている民泊が特定施設に当たるか事前に確認する(大体があてはまる=届出必須)。
- 書類を県のホームページからダウンロードする。
- 書類を埋める。
- 郵送する(心配だったら到着確認の電話を入れる)。
- 数日後、受理書が送られてくるので保管する。
届出書類の書き方
様式のダウンロード方法
ではさっそく書類の書き方に入ります。
最初に断っておくと、書類はとても複雑で難しいです。全部埋めようと思っても専門用語が多くて分かりません。ポイントを抑えて決まったところだけ、埋めるようにしましょう。
書類はあらかじめ各県のホームページよりダウンロードします。
「○○県、水質汚濁防止法、特定施設」などで検索すると出てきます。
参考までに茨城県の場合はこちらです。
ページ内の様式名「特定施設設置(使用、変更)届出書」の様式を使います。PDFとWordがありますが、使いやすい方で大丈夫です。ちなみに私は印刷して手描きで埋めました。
全く同じものを2部提出する必要がありますので、2部分を用意します。
事前に用意しておきたいもの
書き始める前に手元に用意しておくと便利なものがあります。
特定施設の届出では、主に施設(今回で言えば民泊)で使用している機械の詳細を書くことになります。
該当する機械は3つあります。
- お風呂
- 洗濯機
- 台所で使っている水道やシステムキッチン
型番や製品情報などを詳しく記入する欄がありますので、事前に上記3つの取扱い説明書等をご用意ください。
これらは補足資料としてコピーし添付することも可能なので、あると何かと都合がよいです。
ただし、3つの機械のうちお客様に貸さないものがある場合は省いてOKです。
例えば私は民泊をやるなかで、洗濯機と台所の貸し出しは行いませんので、お風呂のみの届出でよい、ということになります。
書き方例
書類は全部で9枚あります。
各県のホームページに書き方例も掲載されていますが、複雑すぎてよく分かりませんでした。
もっと簡単に書類を埋める方法が知りたいと思ったので、参考までに私が提出した書類を掲載します。
緑色の枠で囲った部分を埋めただけで書類は受理されました。各自治体によって異なると思いますので、あくまで参考程度にお願いします。
♢
1ページ目は住所、民泊の名前など基本情報を入れます。特定施設の種類については指定された記号があるようなので、問い合わせて確認するのがおすすめです。お風呂は「66-3 ハ 入浴施設」でした。
2ページ目は空欄でOKです。
3ページ目は主にお風呂(給湯器)の詳細を記入しました。取扱い説明書を見て書きます。
4ページ目は空欄でOKです。
5ページ目は使用時間等を書きます。
6ページ目は浄化槽についての情報を書きます。私が暮らす地域には下水道が通っておらず、各家庭の敷地内に浄化槽が設置されています。下水道が通っている地域の場合は別の書き方があると思います。
「汚水等の汚染状態及び量」の項目については、通常処理後にBOD(mg/L)が20になっていればよいそうです。
7ページ目はBODの量を書きます。24がいいそうです。
8ページ目は空欄でOKです。
9ページ目は汚水がどこからどのくらいの量が出て、どこに流れていくのか全体像が分かればよいみたいです。プライベートで使っている分と、民泊で使っている分の水の量をなんとなく分別します。
あとは機械、浄化槽の取扱い説明書を参考資料としてコピーし添付すれば完了です!
分からない部分については担当者が優しく教えてくれるので、電話で問い合わせてしまうのがおすすめです。
後日送られてきた受理書は以下のようなペライチの書類でした。
まとめ
ここまで水質汚濁防止法の特定施設の届出についてご紹介してきました。ちょっと厄介な部分がある書類なので、ゆっくり時間を取れる時に片づけるといいかもしれません。ではまた。