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【ライフライン】下水道がない地域に住むとどうなる?浄化槽とは

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困ったさき
困ったさき
移住先に下水道がないんだけど、どうすればいいのだ?

地方移住を検討する場合、その地域に下水道がないことがあります。もしそうなった場合、その物件はやめた方が無難なのでしょうか?それとも代替案があって、それで十分快適に過ごせるのでしょうか?分からないことが多いですよね。

そこで、実際に下水道がない地域に暮らす筆者が解説します!我が家では下水道がない代わりに「浄化槽」と呼ばれるものを自宅の敷地に設置しています。

この記事では、下水道がない地域の汚水処理はどうなっているのか、浄化槽の概要、浄化槽を使う上での注意点、浄化槽の維持管理は誰がするのか、下水道がなくて困ったこと、をご紹介しています。

これで下水道がないとどうなるか、理解が深まりますように!

下水道がない地域の汚水処理について

私が暮らす地域には下水道がありません。同じ市内でも下水道があるエリアとないエリアがあって、私たちのエリアには無いんですね。

じゃあどうやって汚水処理をしているのか?というと、各家庭に「浄化槽」を設置していることが多いです。

浄化槽は、一般的なお風呂より二回りくらい大きめのタンクといった感じのもので、それを地中に埋めて使用します。

地方だと各家庭の敷地が広いので、かさばる浄化槽も敷地内に埋め込むことができます。余談ですが、かつては浄化槽を設置する方位も家によっては取り決めていたそうです。汚水なので運勢的によくないものとして取り扱ったのだとか。

私たちも浄化槽の位置は変えずに、移住してきたときのままの場所で使用することにしました。もしかしたら以前の持ち主さんが方位などを取り決めていたかもしれないので。

浄化槽とはどんなもの?

「浄化槽」についてもっと詳しくみていきましょう。

浄化槽とは、下水道がない地域の各家庭に設置されている「ミニ下水処理場」と考えてもらえば分かりやすいと思います。

家庭の敷地に大きな穴を掘って、その中にすっぽりと巨大な容器を入れ込みます。大きさは家族の人数にもよりますが、私たちが設置したものは大人が軽く数名入れるくらいの大きさでした。

容器のなかでは微生物が働いてくれることになります。微生物が汚水を分解して、最終的には水になる、といった仕組みです。

容器には配管が接続されます。どんな配管かと言うと、一つは汚水が浄化槽内に流れてくるもの。もう一つは分解し終えた水を外に排出するもの、です。

家庭内の汚水発生場所には、キッチン、洗面所、お風呂、トイレ、などが挙げられますね。

浄化槽を使う上での注意点

浄化槽のタンク内では微生物が生きています。この微生物たちの働きが悪くなると、汚水がきちんと分解されなかったり、悪臭の原因になってしまいます。

ですので、浄化槽タンク内の「微生物を殺さないための工夫」が求められます。具体例をいくつか挙げてみます。

@キッチン

  • 食用油は流せない…高濃度有機物のため、微生物の処理が間に合わないそう。
  • 液体・汁物は残さないように…同上の理由。
  • まな板・布巾・哺乳瓶などの殺菌目的の洗剤は使用不可…浄化槽内の微生物が死滅してしまうのだとか。

@お風呂

  • タイルや壁に付いたカビを取る除菌剤は流せない…塩素系は特に強力な殺菌剤のため、使用回数は減らした方がいいのだとか。
  • 硫黄系の入浴剤は使用不可…ボイラーに悪影響が出るのだとか。
  • 浴槽の残り湯は一気に流さない…急激な流入で汚物が逆流し悪臭の原因になるのだとか。

@洗濯

  • 塩素系漂白剤は使用不可…中性洗剤でないと微生物が死滅してしまうのだとか。

@トイレ

  • 純パルプ系の溶けやすいロール紙を適量使う…浄化槽の詰まり、機能障害の原因を取り除くためなのだとか。
  • 便座クリーナは使用不可…殺菌目的の製品のため、微生物が死滅する原因になるのだとか。

浄化槽の維持管理は誰がする?

私の地域では、希望すれば市役所が浄化槽に関するほぼ全てのことを行ってくれます。

例えば、

  1. 浄化槽の設置(配管は別)
  2. 浄化槽のメンテナンス
  3. 浄化槽の定期点検

などなどです。

維持管理を全て市の方で行ってくれるので、その料金が水道代金に上乗せされます。

参考までに、個別浄化槽の使用料金を掲載しておきます。

  • 5人槽…4,180円(税込)
  • 7人槽…4,400円(税込)
  • 10人槽…5,610円(税込)

※〇人槽とは浄化槽の大きさのこと。我が家は5人槽です。

※上記は2020年現在@茨城県行方市の場合です。

私たちは移住してきて、しばらく配管工事などがあったので、途中から市役所にお世話になることになったのですが、浄化槽の維持管理費が上乗せされて、大体月1万円(大人2人暮らし)かかるようになりました。

それまで水道代金は5千円程度でしたので、半分程度が浄化槽の維持管理費に回収されるようになったイメージです。

ちなみに市役所のお世話にならない、といった選択肢もあり得ます。ただし、自分で管理するとなると余計な労力と費用が必要になってきますので、大多数の方は少しの手数料をお支払いして市役所のお世話になるようです。

下水道がなくて困ったこと

「特にない」です!

下水道があってもなくても、特に生活に違いはないかな~と思っています。

ただ、移住してきてすぐの頃、浄化槽が古くなっていて取り換える必要があったのですが、その際に浄化槽工事を行う関係でトイレが2週間使えなかったんですね。それが辛かったです。

屋外に仮設トイレをつけて、昼も夜も、晴れの日も雨の日も外へ行く、といった生活をしていました。トイレが家のなかにあるって幸せなことだったんだなあと感じた出来事でもあります。

同じく浄化槽の工事中は洗濯機の汚水が庭に垂れ流しになっていて、心が痛みました。そこに日が当たった時、多少臭いが出てきてしまったのも辛かったです。早く浄化槽の工事が終わってくれないかなあ……と首を長くして待っていました。

こんな感じで、浄化槽の工事中の辛かった思い出はありますが、普段生活していて困ったことや辛かったことは全くありません。

まとめ

嬉しいさき
嬉しいさき
下水道がなくても浄化槽を設置すれば問題なく生活できるんだな!

ここまで、下水道がない地域に移住したらどうすればいいのか?浄化槽とは何か?といったテーマでご紹介してきました。

下水道がない地域が初めてだと分からないことが多いと思いますが、自治体でもフォローがあるので不明点はお近くの市役所へ聞いてみるといいと思います。ではまた。

ABOUT ME
さき
▼さき(妻)▼海のある町で育ち、現在は湖畔で生活中 ▼当ブログでは田舎暮らしの工夫や発見を気ままに発信中 ▼ヤギのお世話が好き