筆者は、田舎暮らしの暖房器具と言えば「灯油ストーブ」が思い浮かびます。ヤカンを置いたり、お餅を焼いたりしながら、暖を取るイメージもありますよね。
この記事では、実際に灯油ストーブを使用している筆者が、灯油ストーブとは何か簡単に紹介した後、灯油ストーブのメリットとデメリットについて実体験を元にまとめています。
灯油ストーブのご購入を考えている方の参考になれば幸いです。
灯油ストーブの種類
「反射式」は、長方形の形をしていて、燃焼筒が置かれている場所の背面や側面に反射板があります。反射板により熱が反射するようになっていて、ストーブの正面を効率的に暖めることができます。
一方、「対流式」は、学校の体育館とか、もしかしたら教室で使っていた方もいるかも知れません。縦に長い円筒形のような形状をしており、全方位に熱を放出する仕組みになっています。熱した空気を上昇させて対流を起こし、部屋全体を効率良く暖めることができます。
「反射式」は部屋の隅に、「対流式」は部屋の中央に置くと効率よく使うことができます。
我が家の灯油ストーブ
CORONAのRX-2920WYは、木造戸建てでは8畳まで、コンクリート(集合)では10畳までが目安になっています。その他の主な使用は以下です。
- 暖房出力:2.87~2.29kW
- 外形寸法:高さ467×幅618×奥行324mm
- 質量:9.3kg
- タンク容量:5L
灯油ストーブのメリット
(1)あたたかい
暖房器具で一番大事なことは、あたたかいことです。灯油ストーブは、灯油を芯の先端で燃焼させることで部屋を暖めます。具体的には、灯油の燃焼により炎が燃焼筒の中で立ち上がり、燃焼筒上部の金網を赤熱させ、この金網と燃焼筒全体から赤外線が放射される仕組みです。
我が家では「反射式」の灯油ストーブを使っていますが、正面もあたたかく且つ上方向にも熱が伝わるので、正面で温まることと、部屋全体を暖めることの両方の機能を持っているように感じます。
(2)お湯が沸かせる
灯油ストーブは、正面だけでなく上方に熱が伝わることから、上にヤカンを置いてお湯を沸かすことができます。
ストーブを付けている間は、常にお湯がある状態になるので、のどが渇きやすい冬場には、とても便利です。
(3)料理に使える
同様に料理にも使えます。弱火でコトコトと長時間煮込む料理は、ガスコンロより使いやすいです。
ガスコンロでは火力を一番弱くしていても吹きこぼれてしまうこともありますが、ストーブでは吹きこぼれたことがありません。
(4)加湿できる
お湯が沸かせることについて上述しましたが、それはイコール加湿している状態です。
エアコンを付けていると部屋が乾燥してしまいますが、灯油ストーブにヤカンを載せておくと、部屋の湿度が保たれます。ノドやお肌に優しいですね。
(5)災害時の備えになる
灯油ストーブは、コンセントにつなぐ必要がなく、電気を必要としません。そのため、災害時に停電してしまったときでも使用することができます。寒さをしのげるだけでなく、お湯を沸かしたり、料理も出来るので、ガスが使えなくなった場合にも役立ちます。
灯油ストーブを付ける際には、電池を使用するのですが、仮に電池が切れた場合でもライターなどで火を灯すことも出来ます。
灯油ストーブと同じように「灯油」を使う「石油ファンヒーター」がありますが、石油ファンヒーターは電気で制御されていますので、停電時には使えなくなります。
(6)電気代不要
コンセントに接続する必要が無いため、もちろん電気代はかかりません。その代わり、灯油代がかかります(次の項で解説します)。
灯油ストーブのデメリット
(1)灯油代がかかる
灯油ストーブは「灯油」を燃焼させることにより熱を得る仕組みです。そのため「灯油」を購入する必要があります。
しかし灯油代はそれほど高くないため、燃料代が安いというがメリットと捉えることも出来ます。
灯油が安い理由には、ガソリンと違い税金があまりかかっていないという理由があります。灯油は庶民の燃料とされる所以ですね。
ガソリン1リットルに対する税金
- 石油税 2.8円
- ガソリン税(本則税率) 28.7円
- ガソリン税(暫定税率) 25.1円
- 消費税
灯油1リットルに対する税金
- 石油税 2.8円
- 消費税
(2)灯油を入れるのが面倒
エアコンはスイッチを入れるだけで勝手に動いてくれますが、灯油ストーブは灯油がなくなったら給油しなければいけません。
寒い中、部屋を出て、給油するのも面倒です。さらに灯油がかかって汚れることを考えると、服装も気にする必要があります。
ちなみに、CORONA社の製品には「よごれま栓」機能があり、比較的簡単に、名前の通り汚れることなく灯油を入れることができます。
またポリタンクには灯油18リットル入るのですが、なくなるとガソリンスタンドまで購入に行かなくてはなりません。
(3)消した時に臭いがする
灯油ストーブは、消した時などに独自の臭いがするのが欠点です。
私たちが使っている製品は「ニオイカット消火」という機能がついていて、灯油ストーブの臭いが抑えられていますが、食事の時などは多少気になります。
(4)換気が必要
灯油ストーブには、燃焼ガスを室外に排気する仕組みはもちろんないため、1時間に1~2回程度の換気が必要です。
わたしたちは、古民家に住んでいて、多少なりとも隙間があるため、換気回数は多くないです。それでも、酸素が薄くなってきたと感じたら戸を開けています。
まとめ
この記事では、灯油ストーブについてや、灯油ストーブのメリット・デメリットについて実体験を元に紹介してみました。
部屋を暖めるだけではなく、調理にも使えて、また災害時の備えになるという安心感もありました。
灯油価格も税率が低いことから、私たちの生活を支えてくれる燃料でした。
しかし、灯油を入れるのが面倒(汚れてもいいように作業服に着替えたりする必要がある)とか、消火したときに臭うなどのデメリットがありました。これらは企業努力により改善されつつあります。
この記事が、これから灯油ストーブの購入を考えている方の参考になれば嬉しいです。ではまた。