ヤギたちといつものようにお庭でお散歩をしていると……何とも言えない変な顔してるー!!唇をわざとぐいっと上げて、ブサイクだよ、君!笑
さて、こちらの表情は一体何を表しているのでしょうか?頻繁に見せる変顔だけに、とても気になりますよね!
ということで、双子のヤギを飼育している筆者が解説をしてみます。先に答えを言ってしまうと、実はこれ、動物のフェロモンが関係して起こる「フレーメン(反応)」と呼ばれる行動なのだそう。
この記事では、ヤギのブサイクな変顔に気が付いた時のこと、フレーメン反応とは、ヤギ以外の生き物でも起こるのか、をご紹介しています。
これで、ヤギの変顔の理由と、フレーメン反応について理解が深まりますように!
ヤギのブサイクな変顔に気が付いた時のこと
まだヤギを飼い始めて間もないある日のこと。こんなやり取りがなされました。
最初にうちで飼っているヤギの変顔に気が付いたのは夫でした。
ブサイクな顔ってどんなだろう?と思いながら数日一緒に過ごしていると……これかあ!!という瞬間があったのです。笑
明らかにブサイクで変な顔でした。
それからというもの、頻繁にヤギたちの変顔を見かけるようになります。さすがに何の意味もなくこんな変な表情しないよなあ……と感じてはいたものの、理由がイマイチ分からずにいました。
ただ、数カ月一緒に過ごして分かってきたこともありました。
これは夫婦のあいだでも共通認識でした。
ここでようやくこの変顔は「フレーメン(反応)」である、ということを理解したのです。
ちょうど同じタイミングで私の両親が、テレビ番組でフレーメン反応について放送していた、という話を共有してきました。内容を聞き、やはりそうだったか!と確信に至ったわけです。
さてではこのフレーメンとは一体何なのでしょう?
フレーメン(反応)とは
フレーメン反応(フレーメン現象、フレーメンとも)とは、臭いに反応して唇を引き上げる生理現象のことです。
主にフェロモンの受容を行う嗅覚器官・鋤鼻器(じょびき)を空気に晒し、多くの物質を取り入れる目的があるのだそう。
簡単に言うと、ヤギが唇を上げて変顔になってしまうのは、臭いを通してフェロモンをより多く感じ取るためだったんですね。
余談ですがフェロモンとは、動物などが体内で生成し体外に分泌することで、同じ仲間が一定の行動や発育変化を起こす物質とされています。フェロモンには役割によって、たくさんの種類があるそうです。
ちなみに面白いのは、主に同居している仲間の臭いを嗅いでフェロモンを感じると、フレーメンが起こるということです(もちろん自分の臭いでもフェロモンを感じ取ればフレーメンが起きることもあるそうですが)。
我が家のヤギたちの場合は、自分がおしっこをすると必ずその臭いを嗅ごうとします。
地面に鼻を近づけてくんくん……かーらーの変顔!というパターンがほとんどです。
他には、オスが自分の精液を舐めることがあるのですが、その時もフレーメンします。
ブラッシング後に出来た大きな毛玉をわざわざ食べたがって、食べた後にフレーメンすることも多いです。
ヤギ以外の生き物でも起こるのか
さてここまでフレーメンの基本的な知識についてお話してきました。
フェロモンを感じ取る鋤鼻器(じょびき)だなんて難しい部位が体にあったなんて、全く知りませんでした。それもそのはず、人間の場合は胎児期に退化してしまうそうです。
フレーメンが起きると唇を上げて変な顔をするわけですが、ヤギ以外にもたくさんの生き物でフレーメンを見ることができるそうですよ。
例えば……
- ネコ
- イヌ
- ウマ
- ヒツジ
- ゾウ
- バク
- サイ
- ヘビ
- トカゲ 他
ちなみに鳥たちは、視覚と聴覚が高度に発達しているのに比べて嗅覚はほとんど発達していないそう。そのためフェロモンを感じる鋤鼻器(じょびき)は、消えているか痕跡でしかないのだとか。
鳥さんを飼育している場合には、フレーメンを見ることは無さそうですね。そういえば私も以前セキセイインコを飼っていましたが、そういった仕草を見ることはありませんでした。
まとめ
ここまでヤギがする変顔のこと、フレーメン反応のことを解説してきました。これからヤギを飼育しようと思われている方はぜひヤギさんたちが繰り広げる変顔に注目してみて下さい。面白いですよ。ではまた。
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