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【農業】ファーマーズマーケット中心の経営は成り立つの?

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あき
あき
ファーマーズマーケットに新しい農業の可能性を感じるけど、それで経営は成り立つの?

これから農業を始めようと思っている方の中には、お客さん(消費者)に直接野菜を販売するファーマーズマーケット(マルシェ)への出店を考えている方も多いのではないでしょうか。

自分で作った野菜をブランド化したい、安定した顧客を獲得したい、消費者の声を直接聞きたい、というような声をよく耳にします。

この記事では、筆者が5年間の農業の経験を元に、ファーマーズマーケットでの販売で生計が成り立つのかについて考察しています。

実際の売上、加工品や珍しい野菜は売れるのか、お客さんへの伝える工夫はどうするか、などについて具体的に書いてあります。

ちなみにこの内容は、私が自身の農業経営を元に執筆した地域活性学会に投稿した報告論文をベースにし、具体的なエピソードを含めて分かりやすく解説しています。

ファーマーズマーケット中心の農業経営

ファーマーズマーケットは、主に都市においてイベント的におこなわれる、農業者が消費者に野菜を直接販売する機会のことです。

新しい販売チャネルとして、新規就農者を中心に出店が増えているといわれています。

あき
あき
新規出店者の売上が下降傾向にあるとか、ファーマーズマーケットの時代は終わったとの声も聞くよ。本当かなぁ。

この記事では、私が新規就農時にファーマーズマーケットに出店した売上データから、ファーマーズマーケット中心の経営について考察しています。

私は、以下のような作付を行っていました。

  • 主に栗(果樹)を栽培
  • その他、有機野菜を少しだけ

栗は、耕作放棄されていた栗畑を借りる形で始めたので、初年度から生産が可能でした。

また、マルシェ時に周辺の生産者から野菜を預かって販売する「委託販売」も行っていました。出店期間は2012年9月~2016年7月です。

出店していたマルシェは、具体的に、

  • 東京都墨田区
  • 自宅から車で2時間
  • 毎週土曜日開催

という感じでした。一時期は、宿泊して土日連続で販売することもありました。

あき
あき
こんな感じで経営していたので、みなさんの経営状況によって異なると思う。あくまでも参考程度にしてね。

就農する前に、どんな農業をしていくのか考えることは大切です。

田舎暮らしに憧れて、安易に農業を志す方もいるようですが、「自分がどんな性格だから、どんな農業が向いている」とか「なんで農業をやりたいのか」など整理することが必要だと思います。

そこで、さまざまな経営者の元で農業について学んだり、本を読んだりして、農業についての理解を深めることをお勧めします。

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実際にどのくらい売れるの

2012年9月の初出店時の売上は55,000円でした。栗を中心に経営しているため、秋から冬への売上が大きく、またイチゴの委託販売を行ったことから12月から5月の売上も安定しました。

2013年11月と12月には、月の売上が50万円を超えました。その後も、安定的に売上を伸ばしています。

あき
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ファーマーズマーケット中心の経営は成り立つかも?

ですが、7月、8月は暑さにより客数が少なく、野外での販売のため野菜の鮮度が落ちやすいことも課題となりました。

実際に、夏の売上は他の月と比べて少なく、季節による変動について考えないといけません。

加工品を売るメリットとデメリット

あき
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季節によって品目が減ることを防ぐために、加工品を販売したらどうなの?

野菜はその日のうちに販売しないといけないため、確実に売れる量を持っていきたいと考えますよね。そうすると、徐々に販売するものがなくなって、午後になると売るものがなくなってしまいます。

そこで、加工品の取り扱いを考えます。

ジャムジュース(人によってはピクルスとか?)など、生鮮野菜が少なくなった午後の時間に、展開して少しでも売りたいという考えです。

しかし、普段から買うものではないため、それほど売れませんでした。取扱品目については、販売する土地柄も踏まえて考えなくてはいけません。

珍しい野菜は売れる?

直接販売を志す人の中には、珍しい野菜に挑戦したい方も多いと思います。

これは私の感覚ですが、珍しい野菜は「少しは売れる」という感じです。それぞれがどのような店(テントですが)を作るか、さまざまな要素で変わります。

私の場合は、珍しい野菜は、説明しないと売れない(説明すると売れる)ため、数を絞っていました。

お客さんはを中心に来られるため、その時間に全員に説明するのは不可能でした。そのため、珍しい野菜は少しまでという自分ルールを作ったのかもしれません。

伝える工夫

ファーマーズマーケットで販売を行うことに関して、農業生産とは異なるスキルが必要です。

例えば、農作物そのものについての知識や料理法、またそれらを伝えるコミュニケーション能力などがあります。

前述したとおり、朝の時間帯はお客さんと話す時間が取れなかったので、話さないでも伝える工夫が必要でした。

野菜につけるラベルPOPなどの工夫も行った記憶があります。

あき
あき
ファーマーズマーケット中心の経営は成り立つのかという問いに向き合うにあたって、料理法や野菜の特徴などの知識、そしてコミュニケーションやPOPのデザインなど伝える能力も大切だね。

まとめ

あき
あき
ファーマーズマーケットは成り立つかもしれない!

この記事では、筆者が約4年間の農業経営&ファーマーズマーケット出店の経験を元にして書いた報告論文に則って、ファーマーズマーケットの可能性について示しました。

事例研究なので、どんな野菜を作るのか、どこで販売するのかなどなど、様々な要素で異なってくると思います。

また、に積める野菜の量も限られているので、野菜の価格だけでなく、容積当たりの単価も考えないといけません。やってみながら試行錯誤することは多々あることも忘れてはいけません。

「消費は投票」とも言われています。ファーマーズマーケットは、消費者が生産者から直接購入できる場所として、都市部で増加してきました。そのため、「がんばってね」という声と共にお野菜を購入してくれるお客さんもいます。それはとても嬉しいです。

この記事が、これから新規就農しようと思っている方の役に立てれば嬉しいです。ではまた。

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あき
▼あき(夫)▼幼少期から湖のそばで育ち、現在はより身近に ▼当ブログでは田舎暮らしの工夫や発見を気ままに発信中 ▼家庭菜園が好き