農業

【農業】農業実践者の僕が参考にした「農」に関する本15選

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気になるあき
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これから農業をしたいと漠然と思っている人にオススメの本ってないの?

「農」に憧れ、田舎暮らしを考えている人も多いのではないでしょうか。この記事では、これまで農業に携わってきた僕が読み、参考にしてきた本を紹介します。

特に、これから地方移住して農業をしたいと思っている方が、実際に農業をやってみてミスマッチを起こしてほしくないという想いもあります。

そのため、「農業を知る」、「農のある暮らしをつくる」、「農業で稼ぐ」、「農業の新しいビジネスを考える」の4つに分類しながら、「農業」と「農のある暮らし」を対比しつつ紹介しています。

これらの本を読みながら、それぞれが実践したい農業について考えるきっかけになってほしいと思っています。

農業を知る

【1】農業がわかると社会のしくみが見えてくる 高校生からの食と農の経済学入門(生源寺眞一)

東京大学などの大学で農業経済学、農業政策を研究してきた生源寺氏の著書です。世界の食料事情、日本の農業、日々の食生活がどのようにつながっているか優しくまとめられている本です。

生徒に語りかけるような文章で読みやすいので、まずは「農業って何?」かを学ぶのにぴったりです。特に、これまで農業について触れていなかった人たちにとって、農業に抱いていたイメージを、正しい常識へと導いてくれるに違いありません。

【2】日本農業への正しい絶望法(神門善久)

現代の日本農業のあり方について鋭く批評している本です。大規模化、企業参入が進む現代の農業について否定しています。神門氏は、日本農業の生きる道は、耕作技能にこだわった技能集約型農業にあると主張しています。

語るあき
語るあき
以前、東京農大OBが集い週末農業を行っている農園に遊びに行ったとき、神門先生とお会いしました。

農業技術が最も重要であるという厳しい主張は、先生の農業への愛であると分かりました。

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【3】日本は世界5位の農業大国(浅川芳裕)

2010年に発売された新書です。タイトルで「えっ?」と思う人もいるかも知れません。食料自給率が低く、農業大国だなんて思ってもいない真実です。

食料自給率はカロリーベースで求められているからであり、カロリーが高い穀物(小麦やトウモロコシ)の自給率が低いため日本の食料自給率は低くなっているのです。でも、GDPベースではどうでしょうか?

【1】と合わせて読むことで、農業についての勘違いを正していきたいですね。

【4】キレイごとぬきの農業論(久松達央)

茨城県土浦市の有機農家・久松氏の著書です。「有機農法なら安全で美味しい」、「農家は清貧な弱者である」、「農業にはガッツが必要だ」など有機農業についての常識を否定してくれます。

年間五十品目の有機野菜を栽培する久松農園の経営哲学が学べる1冊です。

語るあき
語るあき
僕が新規就農した頃、久松氏のセミナーを受講したけど、論理的で分かりやすかったよ。

東日本大震災の原発事故で、東日本の有機農家はキャンセル殺到した現状があって、有機野菜は「安全」だけを掲げて販売してはいけないと感じさせられたよ。

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久松達央さんの新刊もオススメです。

【5】有機農業の技術とは何か(中島紀一)

有機農業といえば、NPO法人有機農業技術会議の事務局長もされた有機農業の権威、中島紀一先生の本も紹介したいと思います。

本書では、土を場として繰り広げられる微生物と植物と動物の共生の世界を踏まえ、農法を自然と人の関係で成立するものとし解説しています。

語るあき
語るあき
僕が通っていた茨城大学の名誉教授だよ。

ちょうど僕が入学した年に退官なされて、直接講義は受けられませんでした。

【6】さよならニッポン農業(神門善久)

耕作放棄地や無計画な農地の転用など、農地に関する問題点を指摘している本です。【2】と並んで、ネガティブな表現と、辛辣な口調が神門先生らしいです。

農地をどのように守っていくか農業政策の視点と、農家のモラルを正してくれる本だと思います。

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農のある暮らしをつくる

【7】種をまく人(ポール・フライシュマン)

コミュニティガーデンの視点を児童書にした、農業の新しい可能性を感じることが出来る1冊です。子どもが空き地に蒔いた種をきっかけに、そこが人の集う場所になっていくストーリーです。

農業でガッチリ稼ぐというよりは、ゆっくりとしたカントリーライフを目指す方や、農業の新しい可能性を見出したい方におススメです。

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【8】コミュニティガーデン:市民が進める緑のまちづくり(越川秀治)

コミュニティガーデンについて、分かりやすく取り上げているのがこの本です。【7】でイメージを膨らませた後に、具体的に読み進めるのもオススメです。

自治体が抱える放置遊休空地を、市民と福祉・環境NPOの手で、市民が交流でき、豊かな生活環境を提供するような畑にしたらどうかと本書では提案しています。

【9】リトルフォレスト(五十嵐大介)

2002年12月から2005年7月にかけて講談社の『月刊アフタヌーン』にて連載されていた漫画です。橋本愛主演で映画化されました。

筆者が岩手県衣川村で生活した際の実体験をもとに、大自然に囲まれた小さな集落で暮らす一人の女性の姿が描かれています。大変だけど、それが嬉しい、しみじみと田舎での暮らしを作っていきたい人にオススメです。

【10】田んぼにメダカが帰った日(金丸弘美)

工場用水、農薬・水路のコンクリート化などの影響で、次々に姿を消した「メダカ」。本書では、茨城県稲敷郡、千葉県佐原市で不耕栽培に取り組む2人の農家・農法を紹介しています。

大規模農業と逆行した、低コスト・低労力で、収穫を上げるという模索のなかから生まれた農法です。環境に配慮した農業について考えたい人に読んでほしい本です。

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【11】半農半Xという生き方(塩見直紀)

自分や家族が食べる分の食料は農業(自給用)でまかない、残りの時間は「X」、すなわち自分のやりたいことや得意なことに費やすというライフスタイルをこの本では提唱しています。

1990年代に提唱されたこの生き方は、現代版の兼業農家ともいえる新しい概念で、副業推進・テレワーク推進の昨今、再び注目されています。家庭菜園を暮らしに取り入れながら、地方で働きたい方に知ってほしい考え方です。

農業で稼ぐ

【12】農!黄金のスモールビジネス(杉山経昌)

外資系企業に勤めていた著者がブドウ農園を経営する中で得た知見を紹介する一冊です。「ムリ」「ムダ」「ムラ」を排除した農業生産、そして顧客管理の方法から値段のつけ方まで徹底解説しています。

杉山氏は、サラリーマンの時代はもう古い、週休4日・時給3000円の農業が実現できると説いています。

農業の新しいビジネスを考える

【13】マイファーム 荒地からの挑戦:農と人をつなぐビジネスで社会を変える(西辻一真)

耕作放棄地を有機無農薬の体験農園等に活用するビジネスを全国で展開する、西辻一真氏の著書です。

都市部から就農者を増やすだけではなく、耕作放棄地を地元に合った形で利益の出るモデルに変えていく新しい農業のカタチを学ぶことが出来る本です。

【8】や【11】に通じる話でもありますが、それをビジネスにしていくという発想があります。

【14】これからの野菜の食べ方(青山・国連大学前ファーマーズマーケット男子野菜部)

毎週末、青山の国連大学前でファーマーズマーケットを開催するメンバーらが書いた本です。この本では、おいしい野菜の食べ方、見分け方、在来種野菜の紹介だけでなく、農薬や品種改良の話などがまとめられ、これらを知るためには農家とのつながりをつくることが重要であると指摘しています。

ファーマーズマーケットは、単に野菜を売り買いする場でなく、おいしく野菜を食べるための知識を提供する場になっています。

語るあき
語るあき
僕もかつて墨田区のマルシェに出店していたけど、野菜を直接販売するニッチなビジネスも成立可能だと考えているよ。

【15】農業新時代 ネクストファーマーズの挑戦(川内イオ)

希少な作物に特化したり、ブランド化したり、最新テクノロジーの導入や「植物工場」など、未来産業としての農業を紹介しています。

ピーナツバターをつくる元会計士や、ハーブに特化させた農業・国産バナナの誕生などなどたくさんの事例を交えて、新しい農業の姿を提示してくれます。

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まとめ

理解したあき
理解したあき
どんな暮らしがしたいのか、どんな農業をすべきなのかについて考えられる15冊を紹介しました。

僕自身、農業が持つ多くの可能性を感じており、「野菜」というモノを売る農業だけでないたくさんの機能が農業にはあると感じています。大規模に大量に野菜を供給するという農業も大切だとは感じ、生産者には感謝しつつも、自分にとっての農業について異なる視点で問い直しています。

このブログが、それぞれの考える農業を実現する手助けになれば嬉しいです。

ABOUT ME
あき
▼あき(夫)▼幼少期から湖のそばで育ち、現在はより身近に ▼当ブログでは田舎暮らしの工夫や発見を気ままに発信中 ▼家庭菜園が好き