夫婦で仕事をすると、意見が合わないことがあり、時にケンカになったりします。そのケンカを解決するには「話し合うこと」と「許し合うこと」が必要だと私は思っています。
現代社会では、個人主義が進んで、たとえ夫婦といえども、家庭に「夫婦っぽい」部分が少なくなっているのではないでしょうか。
夫婦で敢えて1つの作品を作ることにより、1つのセンスで統一されない成果物が完成します。
この記事では、その作品が、「実は夫婦でケンカしながら作品を作ったというストーリーも合わせて楽しむ、とってもカッコいい成果物」という私(夫あき)の発見について書いています。
この夫婦が許容し合うことによる作品は、まさしくアートだと思うので、微笑ましく読んでくださると嬉しいです。
「夫婦で働く」、「夫婦で暮らす」ということ
会社から独立し、起業を考えるときに「夫婦で一緒に仕事がしたい」と考える人も多いようです。私たちもそのうちの1組、未だ独立までは至っていませんが、副業的に民泊を運営しています。
この「夫婦起業」で一番難しいのは、経営者が2人いるということです。
他の夫婦で起業されている方は、どちらかがリーダーシップをとって、もう片方は補助する役割というように働いているかもしれません。
ですが、私たちの場合、「話し合うこと」と「許し合うこと」によって成り立っています。
- 話し合うこと…答えが出ることについて、主に夕食後に話し合いながら物事を決定する(例:経営方針、コンセプトなど)
- 許し合うこと…センスの違いによるもので、話し合っても答えが出ないことについては、相手を許容する“なぁなぁの関係”による(例:客室のレイアウト、雑貨など)
話し合うことは、コミュニケーションを密にとれさえすれば、大変ですが簡単です。
許し合うことは、「相手を許容する」ということです。例えば、部屋のレイアウトが自分の趣味と違っても「ダサいけど、まぁいっか」と寛容に捉えることです。
……となると、ケンカになってしまいます。
ですが、
……と、心の中で思っている分にはケンカになりません。
そして、この「許し合うこと」のカッコよさに気が付いたので以下に紹介していきます。
個人主義の拡大と夫婦の在り方
精神科医の小此木啓吾先生は、「ホテル家族」化という言葉を使って、個人主義化する社会を危惧しています。
現代の家族は、ホテルの宿泊者たちのように、同じ食堂で食事をするだけで、コミュニケーションはほとんどとらないからだそうです。
夫婦喧嘩を減らす方法として、「それぞれのテリトリーを分ける」ことが考えられます。「この棚は私の棚」、「この仕事は私の担当」と決めることで担当者の権限で決めていくことができ、意見の対立がなくなるからです。
一方で、その棚は夫婦の棚でなく「夫の棚」「妻の棚」に、その仕事は「夫の仕事」「妻の仕事」になってしまうというデメリットがあります。
つまり「夫婦の棚」「夫婦の仕事」がなくなってしまう、すなわち夫婦の「夫婦っぽい部分」が少なくなってしまうということです。
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「結婚披露展」は続いている
わたしたちは2017年に結婚し「結婚披露展」という方法で、結婚のお披露目をしました。いわゆる普通の結婚式は行いませんでした。
「結婚披露展」とは何だったかと考えると、夫婦が共に創るアート作品であったと思っています。展示している制作物だけでなくその製作過程、すなわちその日、その場所で、その人と話している会話なんかも合わせてアートであったと思っています。
そして、一番大切なのは、価値観が違う2人が1つの作品を作るということです。
1人で1つの作品を作ると、その人のセンスによる、製作者が満足いく作品をつくれると思います。ただ、2人で作品を作ると、お互いに「違う」と思うポイントがあって、「まぁこの範囲なら許容するか」という作品になるはずです。
それは、「ダサい」ともいえるかも知れません。
ただ、そのダサいともいえる二人のセンスが混ざり合った作品を作った過程で、2人がどのように話し合って、納得したり、許容したりしながら作り上げていくかという課程がアートだと考えると、決してダサくないものになるのです。
そして、結婚から4年が過ぎ、2人で仕事のことや、部屋のレイアウトについて話し合っていると、まだアート活動を続けていることに気が付きました。
まとめ
今回は、少しコラムっぽく、「夫婦起業のカッコ悪いところが、カッコいいんじゃないか」という発見について書かせていただきました。
夫婦で仕事をすると、意見が合わないことや、ケンカすることも多々あると思います。「話し合うこと」で解決できることもありますが、それだけでは仲直りできないこともあります。
私たちの場合「許し合うこと」で、「まぁいいか」となることも多いです。
個人主義が進み、夫婦の生活に「夫婦っぽい」部分が少なくなっている現代社会において、この夫婦が許容し合うことによる作品は、その過程も含めてまさしくアートではないでしょうか。
この記事を読んで、「これもアート作品だね」と仲直りのきっかけや、話のタネにしてくれたら幸いです。また、これから夫婦起業をしたいと思っている方の参考になると嬉しいです。