家庭から出される生ごみを有効利用できたら嬉しいですよね。そこで活躍するのが、コンポスターです。地方へ行けば、各家庭の庭先で見かけることが多いと思います。
コンポスターってどんなものなのでしょうか?使い方のコツはあるのでしょうか?
ということで、コンポスターに関するあれこれを実際に使用している筆者が解説をしてみます!
この記事では、コンポスターとは、使い方、虫対策、臭い対策、自治体の補助制度、家庭菜園で堆肥を使うメリット、をご紹介しています。コンポスターについてはこれ1本読めばだいぶ詳しくなるのではないでしょうか。
これからコンポスターを自宅に導入しようと考えている方の助けになりますように!
コンポスターとは?
コンポスターとは、「堆肥(コンポスト:compost)」をつくる容器のことです。
家庭からでる生ごみや、落ち葉などの有機物を、微生物の働きにより発酵・分解させることで、野菜作りに使える堆肥(肥料)を作ります。
「コンポスター」のことを「コンポスト」と呼ぶこともありますが、本来の言葉とは違った使い方をした和製英語です。
国内では、庭に設置する緑色でバケツ型のプラスチック容器のイメージですが、主に都市住民の使う「電動式の生ごみ処理機」もコンポスターです。
また、専用の袋などを使って簡単に堆肥化できる商品も売られていたり、段ボールで堆肥を作る方法もあります。
コンポスターの使いかた
設置場所
コンポスターは、日当たり・水はけ・風通しの良い場所に設置するとごみの分解が速くなります。
ただし、最も重要なのは、毎日生ごみを捨てるのが大変ではない場所であるということです。勝手口に近い場所など、生ごみを捨てるのが習慣にできる場所を選びましょう。
設置するときは、コンポスターの下方10cmくらいを埋めます。
使用方法
生ごみや、落ち葉などの有機物を随時入れていきます。ときどき土をちょっと入れると発酵が進みやすくなります。
夏場は、虫が湧きやすかったり、においも強くなるので、土をかぶせることで防ぐことができます。
2個のコンポスターを交互に使うことで、片方のコンポスターがいっぱいになって堆肥へと発酵させている間に、もう片方のコンポスターを使うことができます。
入れていいもの・悪いもの
生ごみや落ち葉などを入れてください。米ぬかや廃食用油は発酵を促進させる効果があります。また、コーヒー粕は防臭の効果があります。
- 入れていいもの…野菜や果物の皮やヘタ、卵の殻、米ぬか、使用済み食用油、コーヒー粕、落ち葉
- 入れない方がいいもの…割りばし、爪楊枝、紙、ビニール、犬・猫の糞尿
完成の目安
通常の家庭規模では、2個のコンポスターを交互に使用している場合、概ね、一方のコンポスターがいっぱいになってたとき、一方のコンポスターで堆肥が出来ています。
さらさらとした土のようになっていれば使用できます。
虫はわかないの?
コンポスターは、分解者と呼ばれる生き物たちの働きで、生ごみや落ち葉を堆肥にしてくれます。そのため、さまざまな生き物がそこに暮らしています。
虫が嫌いでも、将来は畑で使うものなので殺虫剤は使用してはいけません。
一方、コバエなどが湧くのは不快だと思います、前述しましたが、生ごみの上に土をかぶせることで、コバエが湧くのを防ぐことができます。
臭いはしないの?
虫の発生と同様に、有機物が発酵する際の臭いが生じます。特に、水分が多いものがにおいの原因になりやすいです。
生ごみは、水をよく切ってから投入しましょう。
また、土をかぶせることでにおいを抑えることができるほか、コーヒー粕も脱臭効果があります。
電動式の生ごみ処理機
大きな庭がある方は、バケツ型のコンポスターを使えるかもしれませんが、ベランダで家庭菜園などを楽しむ方には、電動式がおすすめです。
電気を利用して生ごみを発酵分解するものや、乾燥させて容積を減少させ堆肥化するものがあり、すぐに堆肥化でき、虫やにおいの発生もないためおすすめです。
自治体の補助制度を利用しよう
自治体によっては、バケツ型コンポスターや電動式生ごみ処理機の購入に対し、補助金を交付しています。
生ごみを減らすことで、家庭から回収するごみが減り、自治体にとってはごみの焼却コストの削減につながるからです。
また、家庭から出る食品ロスの循環利用の観点からも、コンポスターは有効と言えます。
【おまけ】家庭菜園で堆肥を使う4つのメリット
(1)土壌改善
「堆肥」は、土の中に含まれる植物の生育に有効な微生物を増やし、土を肥沃にするために使われる資材になります。土壌に、保肥力・排水性・保水性・通気性を持たせ、野菜が育ちやすい環境をつくります
(2)肥料効果
生ごみや落ち葉で作った堆肥の肥料としての効果は多少です。鶏糞などと併せて使うことも有効です。けれども堆肥は、有機物が分解されて少しずつ植物が吸収できる状態にしていくため、長期的に肥料としての効果を持続します。
(3)病害虫対策
堆肥を与えることによって、土の中にミミズなどの土壌小動物のほか、糸状菌、放線菌、納豆菌などの微生物が集まるので、あらゆる病害虫への耐性が上がり、病害虫対策にもつながります。
(4)リサイクル
堆肥は料理を作る時に出る「生ごみ」や、秋になると落ちてきて処分に困る「落ち葉」を原料にしているため、本来捨てるはずの材料をリサイクルしてつくられます。材料費がかからないタダの原料で誰でも作ることができます。
堆肥と肥料の違い
よく混同されますが、堆肥と肥料は違います。
- 堆肥…「土壌改善効果と、さまざまな微量栄養素の供給」を目的とするもの
- 肥料…「窒素・リン酸・カリの三栄養素を補う」役割を担うもの
まとめ
ここまでコンポスターに関するあれこれや、堆肥についてご紹介してきました。生ごみで捨てられてしまうはずのものが有効活用できるとは画期的ですよね。ではまた。