民泊を経営したいけど、実際にどうなんだろう。経営的にはやっていけるのだろうか?
そう悩まれる方も多いと思います。
この記事では、「政治」、「経済」、「社会」、「技術」の4側面からの分析を企業経営に生かすためのフレームワークであるPEST分析を紹介しつつ、実際に私たちが行う民泊の情勢を例に解説します。
いきなりPEST分析というと、聞きなれない言葉なので抵抗があるかもしれませんが、具体的な例で解説しますので、気軽に読んでいただけたらと思います。
これから民泊を始めたいと思う方の参考になれば嬉しいです。
PEST分析とは
PEST分析とは、
- 政治(Politics)
- 経済(Economy)
- 社会(Society)
- 技術(Technology)
の頭文字をとったもので、この4つの側面からマクロ環境を分析し、企業経営に生かすためのフレームワークです。
アメリカの経営学者であるフィリップ・コトラーさんが提唱した、環境分析のひとつです。
現状だけでなく、世の中の大きな流れを見据え、将来の予測もします。それらを通して、自分たちの経営課題を発見したり、戦略立案につなげることができます。
これらの手法については、地域の商工会が開催するビジネスプラン塾などで丁寧に教えて頂けます。
民泊経営をPEST分析してみた
(1)政治的な環境要因
政治的環境要因とは、
- 法律の制定(規制緩和や規制強化)
- 税制
- 政権体制
- 補助金
などが挙げられます。
民泊に関係する法整備としては、平成29年に施行された「民泊新法」が考えられます。
急速に増加するいわゆる民泊について、安全面・衛生面の確保がなされていないこと、騒音やゴミ出しなどによる近隣トラブルが社会問題となっていること、観光旅客の宿泊ニーズが多様化していることなどに対応するために出来た法律です。
この法律が出来たことで、法体系に沿って事業が出来るようになりました。
一方で、営業日数が180日に制限されるなど、規制が強化されたと捉えることも出来ます。
(2)経済的な環境要因
経済的環境要因とは、
- 景気、物価、株価
- 為替
- 金利
- 企業設備投資動向
などが挙げられます。
民泊に関係する経済的環境要因を考えると、例えば、コロナ禍で景気が後退していること、長期にわたりデフレから脱却できないことなど関係しそうな要素が多いですね。
また、インバウンドを狙うのであれば、為替の変動は大きな影響を与えます。
(3)社会的な環境要因
社会的環境要因は、
- 人口動態
- 世論
- 流行
- インフラ
- 生活習慣、ライフスタイル
- 自然環境
などが挙げられます。
民泊との関係は、いろいろなところにありそうですね。社会的環境要因を知るには、民間の調査結果なども有用です。
(4)技術的な環境要因
技術的環境要因は、
- 新技術
- 特許
などテクノロジーの進展です。
民泊事業と関係ありそうなことも多そうですが、一般的に考えられるのは、予約システムではないでしょうか。
Airbnb(エアビー)によって、誰でも簡単に、自分に合った宿泊施設を見つけることが出来るようになりました。地域で検索するだけでなく、ユニークな宿を探すといった、これまでにない検索方法も生まれています。
まとめ
この記事では、民泊経営を例にPEST分析してみました。
ここで出したものは一例ですが、民泊をとりまく環境についてイメージいただけたのではないでしょうか。
今回の分析では、行方市という茨城県の田舎で民泊事業を行う私たちの視点で行いました。田舎で暮らしているため経済的なことには疎いようで、ピンとこない感じもありましたが、一つの例として活用していただけたらと思います。
この記事が、みなさんが民泊経営を始める参考になれば嬉しいですし、また助成金申請や融資などの際の手掛かりにしていただけたら幸いです。ではまた。