天井を見ると必ずついている気がする「火災報知器(火災警報器)」。これって絶対につけないといけないのでしょうか?基準があるなら知りたいですよね。また設置が必要だった場合、どの部屋のどこに設置が必要なのでしょう?天井?壁?いろいろ不明点が出てきます。
そこで、民泊を運営する筆者が、火災報知器の設置に関して解説します!
この記事では、火災警報器の設置義務基準について、火災警報器の選び方、設置方法、特定小規模施設用の自動火災報知設備について、注意点(民泊運営時、交換時期、殺虫剤使用)についてご紹介しています。
これで火災警報器について一通りのことは理解できるようになりますよ!
火災警報器の設置は義務?民泊でも?
住宅用火災警報器の設置は法律で義務付けられています。
2006年6月1日に施行された改正消防法により定められているからです。家主が同一建物に居住する民泊の場合、一般の住宅用火災警報器が必要です。
【取り付け必須の場所】
- 寝室
- 階段
- キッチン(台所)
ただし、キッチンについては義務にしている市町村と、なるべく取り付けた方がよいと推奨しているだけの市町村があるそうです。各市町村の対応は消防署にご確認ください。
寝室について、子ども部屋への設置が忘れがちになるケースがあるようです。寝ることに使うすべての部屋につけるようにしましょう。
家主不在型の場合などは特定小規模施設用の自動火災報知設備が必要になります。
火災警報器の選び方
火災警報器を購入する時たくさんのメーカー、種類があってどれを購入したらよいか分かりませんよね。
住宅用火災警報器には、煙を感知する「煙式」と熱を感知する「熱式」があります。
それぞれ使う場所が法律により以下のように定められています。
- キッチン(台所)→煙式 or 熱式
- 寝室、階段→煙式
(1)キッチン用火災警報器の選び方
キッチンへ設置する火災警報器は煙式でも熱式でも良いのですが、茨城県のホームページでは、熱式をおすすめしています。
煙式では、揚げ物など調理によっては煙が出るため、火災警報器が誤作動してしまうことがあるそうです。
ホームセンターやネットショップで火災警報器を探すとたくさんのメーカー、種類、価格のものがありますが、茨城県の同サイトでは日本消防検定協会の「NSマーク」のついた商品の購入をおすすめしています。
(2)寝室・階段用の火災警報器の選び方
寝室や階段に設置する火災警報器は「煙式」です。同様にNSマークがついているものを紹介します。
私たちは、パナソニック製品を購入しました。同社の製品にはNSマークが見つかりにくいのですが、火災警報器本体についておりました。
パナソニックホームページによると同社製品はすべてNSマークを取得しているそうです。
また、ベージュっぽい色合いの製品(和室色)もあります。古民家等に使用するのに良いかもしれません。
設置方法
火災警報器は、天井や壁に設置します。取付は簡単で資格は必要ありません。
訪問販売など高額な料金が請求される詐欺もあるようです。気を付けてください。
別売で警報器を停止させるひもがありますが、基本的に邪魔なのでつけなくてよいでしょう。
(1)天井に設置する場合
天井への設置方法です。
ポイントを以下にまとめました。
- 壁や梁(はり)から60cm以上離す。
- エアコン、換気扇から1.5m以上離す。
- タンスの真上は避けて60cm以上離す。
- 照明器具の真上も避けて50cm以上離す。
(2)壁に設置する場合
壁への設置方法です。
隅っこには設置しないようにしましょう。また天井からの距離も決まっています。
ポイントは以下です。
- 他の壁から可能な限り60cm以上離す(理想的には設置する面の中央がよいという考え方です)。
- 天井から警報器の中央が15cm~50cmになるようにする。
- エアコン、換気扇からは1.5m以上離す。
- タンスの真上は避けて60cm以上離す。
民泊を始めるときに設置しないといけない場所
民泊を始める場合も、消防法に準拠して火災警報器を設置しなくてはいけません。
私たちは、民泊新法における家主居住型で民泊を運営しており、その場合すべての客室に火災警報器を設置する必要がありました。
民泊運営における消防関連の情報は以下の記事もご覧下さい。
特定小規模施設用 自動火災報知設備
「家主不在型」の民泊を行う場合「特定小規模施設用 自動火災報知設備」が必要です。通常の火災報知器と違って、火災を感知したときに全部が連動するのが特徴です。
ケーズデンキで注文しようとしたところ家庭用の商品でないため取り扱っていないと断られました。楽天市場やAmazonでは1万5千円程度で取り扱っています。Amazonでは取り扱っていない時もあります。
パナソニック製の場合は「親機」を1台と「子機」を必要なだけ購入する形になります。「子機」は「煙式」と「熱式」を使い分ける必要があります。購入する際は慎重に購入しましょう。
以下は親器の煙感知器(パナソニック製)です。
以下は子機の煙感知器です(パナソニック製)。
以下は子機の熱感知器です(パナソニック製)。
筆者はホーチキ製を選びました。理由は商品在庫の関係で同社製品の必要はありません。ホーチキ製品は「親機」と「子機」の区別はないのが特徴です。注文するときに間違うリスクが少し減ります。「煙式」と「熱式」を使い分ける必要があります。
以下は煙感知器です(ホーチキ製)。
以下は熱感知器です(ホーチキ製)。
ややこしい話なのですが「家主滞在型」の民泊であっても「特定小規模施設用 自動火災報知設備」が必要な場合があります。それは、宿泊棟と家主の住む管理棟が別にある場合です。
家主が敷地内に住んでいれば「民泊新法」では「家主滞在型」ですが、消防法では扱いが異なるためです。
交換時期
今回私たちが購入した製品では、交換時期の目安は設置後10年となっています。忘れずに交換しましょう。
電池切れの場合、設置後10年未満であれば電池の交換、設置後10年経過していた場合新しい製品への交換がよいでしょう。
殺虫剤の使用
バルサンなどの殺虫剤を使用する際は、火災警報器が動作する場合があるため本体を外してから使用してください。
まとめ
ここまで住宅用火災報知器についてご紹介してきました。
義務だから設置するというだけでなく、もしもの時のために火災警報器があれば安心ですよね。誰でも簡単に設置できるので、火災警報器がついていない寝室等があったら、ぜひ自分で取り付けてみてください。民泊を運営する際は、無駄な買い物にならないように事前に消防署に相談するのもいいと思います。ではまた。