田舎暮らしや地方移住を検討する理由として、近隣住民に気を使いたくないから、という方もいると思います。田舎では一軒一軒の民家が離れた場所にあることが多いので、物音などに気を使わなくて確かにラクです。
しかし、このように土地に余裕がある環境だからこその問題点もあります。
そのうちの一つが、今回取り上げる「太陽光発電」です。
突然、隣の敷地に太陽光パネルの海がババーンと現れたらと思うとゾッとしますよね。信じられない!と思うかもしれませんが、最近田舎ではこのようなことがよく起こっているそうです。
実際、我が家の隣の空き地にも漏れなく太陽光発電ができました(笑)
そこで、私たちの実体験をふんだんに交えてお話してみます!
具体的には、ある日突然境界立会を求められた、隣の空き地が太陽光発電所に、書類や工事の大まかな流れ(体験談)、実は田舎暮らしあるある(移住前にできること)、というトピックに分けてご紹介しています。
参考図書も掲載していますので、気になる方はぜひお手に取ってみて下さい。これで、地方移住前に知っておきたい太陽光発電のことが理解できると思います!
ある日突然、境界立会を求められた
ある日我が家に、一人の男性がやって来ました。作業員っぽい格好をしています。
彼は言いました。
「測量会社の者ですが、境界立会(きょうかいたちあい)にご一緒頂けますでしょうか?」
突然の話でいろいろと疑問に思うことはありましたが、すでに決まったことだと言うので、応じることになりました。
ちなみに我が家のお隣さんというのは、空き地所有者です。
ですので、家は建っていませんでしたし、人も住んでいませんでした。草原のような広い土地で、地域の子供たちもそこで遊んでいることがありました。
「境界立会」とは?
土地所有者が土地家屋調査士や測量士などの専門家に依頼をし、面積の測量や境界の特定をする際に、近隣住民などの利害関係者が立ち会うことです。
土地の売買を検討している、分筆の登記をしようとしている、境界杭を新しくしようとしているなど、大なり小なり、特別な理由があって行うのが一般的です。
隣の空き地が太陽光発電所に
これは後日分かったことですが、境界立会をした土地は、やはり売りに出されたようでした。
そして次の土地所有者は、太陽光発電事業を行う東京の企業になったようです。
というわけで、我が家の隣の空き地は太陽光発電所になることに。
ちなみに隣の空き地といっても景観的に問題が発生しそうなわけではありません。
というのはうちの庭には丘があって、実質その現場は丘に登らないと見えないからです。
そこは一安心しました(冷や汗)。
書類や工事の大まかな流れ(体験談)
続いて、実際どんな感じに説明を受けて、工事が始まったのか、大まかな流れをご紹介してみます。
ざっくりと以下の四段階ありましたので、それぞれ解説します。
- 測量会社から境界立会の依頼があった
- 太陽光発電事業を行う企業の担当者が挨拶に来た
- 下請け会社が我が家の木々を伐採に来た
- 隣地で施設の設置作業が始まった
【1】測量会社から境界立会の依頼があった
これは冒頭でもご紹介した通りですね。地域の測量士がやってきて、立ち合いの依頼を受けた感じです。
【2】太陽光発電事業を行う企業の担当者が挨拶に来た
特に事前のアポイントがあったわけではありませんが、東京都の会社の担当者が挨拶へやってきました。はるばる遠いところから大変です。境界立会から二カ月経過したタイミングでした。
その際、太陽光発電に影響が出そうな木々を伐採させて欲しいと依頼がありました。我が家の敷地内の木々のことを言っているんですね。
というわけで、「伐採承諾書」という契約書にサインをしました。
【3】下請け会社が我が家の木々を伐採に来た
後日、下請け会社の方々が我が家の庭木を切りにやって来ました。3、4人いたと思います。
パネルに陰を作るような大きな木や竹は、遠慮なくバサバサ切っていきました。
【4】隣地で施設の設置作業が始まった
周辺環境が整ったからでしょう、実際に設備の設置作業が始まりました。めちゃくちゃ気になる!というほどではないですが、工事ですのでそれなりに音は発生しています。
太陽光パネル、周りを囲むフェンス、などが取り付けられています。
実は田舎暮らしあるある
さてここまで、わたしたちの体験談をお伝えしてきました。
多少は耳にしたことはあったものの、実際に自宅の隣で「コト」が起こると、急に実感が湧いてきます。
「田舎で太陽光発電が増えている」というのは事実だったようです。しかも急増しているのは、戸別住宅の屋根にのっているような小規模の自家用のものではなく、野建ての売電プラント(パネルの海をご想像ください)です。
ちなみに私が多少耳にしたことがあったのは、とある書籍をたまたま読んでいたからでした。
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柴田剛(しばたつよし)さんが著者です。親子三代にわたって日本全国を訪問し、生活史の聞き取り調査を行っている方で、移住相談も行っているそうです。
これから移住を検討する方にとってみれば、事前に太陽光発電ができそうな場所を知っておきたいですよね。あらかじめ把握することができれば、その土地は買わないかもしれないですし……。
ところが、それができないのが太陽光発電の怖いところです。
詳しくは本をお読み頂きたいですが、規制緩和の影響で太陽光発電パネルの設置は建築基準法上の規制から外れたそうなのです。
つまり、自治体を通さずにパネル設置が可能になった、ということです(不動産屋も物件調査で市役所へ行っても調べようがありません)。
ちなみに売電施設としての事業認定は、代理申請を請け負う特殊法人を通じて経産省に申請し、業者は直接経産省から認可を受ける仕組みになっているのだとか。……もちろん経産省に聞いても個人情報保護ということで、情報は流してくれません(苦笑)。
えっ?じゃあもうなすすべなしなの??と不安に思いますが、かろうじてできることが本の中で3つ挙げられていましたのでご紹介します。
- 土地購入して家を建てる場合は、南向きを広く開けること…土地境界ぎりぎりに建物を建てると目の前が太陽光パネルということになりかねないため
- 南向きにある程度の木々を残すこと…南向き開口部にパネルができても、木々が緩和してくれるため
- 建築規制のある場所に住むこと…いわゆる別荘地域などは、細かな建築規制があるため
最後に、東京の企業がなぜ田舎の空き地の情報を握っているのでしょう?
……それは地元から情報提供がなされているからだそうです。
先住者にとってみれば、移住者の優雅なカントリーライフなんかより、地域の空き地がお金になってくれることの方が重要なんですね。場合によっては太陽光発電って、実は先住者と移住者の問題でもあったりして……?(コソコソ)
詳しくは本を読んでみてね!
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まとめ
ここまでうちの隣の空き地に太陽光発電ができた話と、最近田舎ではそういうことが増えているんだよというお話をしてきました。これから移住をする方はぜひ気に留めておくといいのではないかと思います。ではまた。