肥料や土壌改良材などいろいろ揃えていたら、普段スーパーで買う野菜よりずっと高くなってしまったなんてことありませんか?家庭菜園を楽しく続けるために、普段捨てているものを活用して、費用を抑えて、豊かな土づくりができたら最高ですよね?
実は、家庭菜園で使える身近なものってたくさんあります。
この記事では、5年間農業経営をしてきた筆者が、家庭菜園で活用できる身近なもの7つについて紹介します。
生ごみ、乾燥剤、ホッカイロなど、家庭菜園に使えるものを具体的に上げて、その効果や、使い方について書いています。野菜作りは、土づくりから。身近なものを活用して、お金をかけずに、豊かな畑づくりをしてみましょう。
生ごみ
生ごみの成分は、食べたものによって大きな違いがありますが、乾燥した生ごみには、肥料の3要素(窒素3~6%、リン酸1~2%、カリ1~4%程度)が含まれているとされています(藤原,2002)。
コンポストなどを活用して、生ごみから堆肥を作ることで、家庭菜園で使える良質な堆肥を作ることができます。
コンポストを使って生ごみを堆肥にする方法は以下の記事を参考にしてください。
生ごみをすぐに処理したい方、バケツ型コンポストを置くところがない方には、電動式の生ごみ処理機がおすすめです。
バケツ型のコンポスト、電動式の生ごみ処理機などは自治体によって購入時の補助制度があります。こちらも併せてお読みください。
藤原俊六郎「生ごみ農業利用の現状と課題」2002年
乾燥剤
乾物や海苔の包装の中に入っている石灰乾燥剤は、ホームセンターに売っている「消石灰」です。これは肥料ではなく、土壌改良材として使うことが出来ます。
野菜の中には酸性土壌ではうまく育たない作物があります。
特にホウレンソウは、土壌をアルカリ性(pH:6.5~6.8程度)にするとよく育つといわれていて、種まきの1~2週間前に消石灰を撒く必要があります。
焚火の灰
焚火などで残った灰も、土壌をアルカリ性にするための土壌改良材として活用できます。
ただし、野菜をつくるための土壌改良として使うことは可能ですが、未利用地に灰を捨てると不法投棄になりますので、あたりまえですが野菜を育てるときに活用してください。
カイロ
寒い冬には絶対必要な「使い捨てカイロ」には、鉄分、バーミキュライト、活性炭など農業に有効活用できる成分が含まれています。
- 鉄分……植物が葉緑素をつくるために必要な成分
- バーミキュライト……土壌の保水性・排水性・保肥性を高める
- 活性炭……植物の生育に必要な有効ミネラルを含み、土壌の透水性を改善する
これは捨てずに、畑に活用したいところ。しかし、使い捨てカイロには「塩類」として塩化ナトリウムが含まれているため、そのままでは使えません。
そこで、塩類を除去する必要があります。
塩類を除去する方法は、キッチンペーパーやコーヒーフィルターにカイロの中身を出して、水を通すだけ。塩類は水に溶けやすいので簡単にのぞけます。
コーヒーフィルターを使って塩類を除去するのって面倒ですよね。以下の使い捨てカイロ「エコポッカ」は、塩化ナトリウムのかわりに「塩化カリウム」を使用していて、中身をそのまま土壌改良材として使える商品です。
米ぬか
米ぬかは、窒素・リン酸のバランスがよく、ビタミンE・ミネラル・食物繊維もたくさん含んでいます。そのため、バランスよい肥料として使用することが出来ます。
使い方として、米ぬかなどを原料に、水と混ぜて、1~3か月程度発酵させることで「ぼかし肥料」にするという方法があります。
ぼかし肥料をつくるのがちょっと大変と思う方は、以下の方法もあります。
- コンポストに一緒に入れて肥料にする
- 畑に直接入れて土壌を少しずつ改良するために使う(大量に入れることはおすすめできません)
コーヒー粕
コーヒー粕は、窒素、リン酸、カリの肥料3要素が含まれており、銅、マンガン、亜鉛、マグネシウムなど植物の生育に必要な微量成分もあり、有機肥料として活用することが出来ます。
米ぬか同様に、そのまま大量に畑に入れてしまうと、発酵する過程で窒素を消費するので、一時的に窒素分が足りなくなってしまいます。そのため、直接畑に入れる場合は少量にしましょう。
実はコーヒー粕は消臭の効果があります。そのため、コンポストに入れると、嫌なにおいが減らすことができるので、コンポストに一緒に入れるのはおすすめです。
コーヒー粕から作ったたい肥は、痩せた土壌を再び使えるようにすることから、土のリサイクル材という名前で売られています。つまりは土壌改良材ということですね。
落ち葉
お庭に生えている落葉樹の葉も、たい肥作りに活用できます。
一か所に集めて、あれば米ぬかと混ぜて、たっぷり水分を含めます。ブルーシートなどを被せて、一夏超すととてもいい堆肥が出来上がっています。
まとめ
この記事では、家庭菜園を楽しく続けるために、普段捨てているものを活用して、費用を抑えて、土づくりをする方法を紹介しました。
家庭菜園で使える身近なものはたくさんあります。生ごみ、乾燥剤、ホッカイロなど、普段だったら捨てているものを活用して、楽しくて、環境にやさしい家庭菜園ライフをお過ごしください。
この記事がみなさんの家庭菜園のお役に立てると嬉しいです。ではまた。