ヤギの素晴らしいところはたくさんの雑草を食べてくれるところですよね。確かにそれはそうなのですが、行き過ぎると問題に……!
放牧されたヤギさんたちは雑草とともに鑑賞用のお花や家庭菜園で実った野菜まですかさず食べてしまいます。
「ちょっと待てーい!」と気が付いても時すでに遅し。あっという間にペロリと召し上がってしまっています(涙)
とはいえ、ヤギさんたちを自由に放牧させてあげたいですよね。そんなときの救世主が「電気柵」です!
ということでこの記事では、電気柵について詳しく解説してみようと思います。
具体的には次のトピック(ヤギを飼うと家庭菜園が荒れる話、電気柵の導入がおすすめ、電気柵に対するヤギの反応、おすすめのソーラー電気柵)に分けてご紹介します。
これで電気柵の理解が深まりますように!
ヤギを飼うと家庭菜園が荒れる話
我が家のヤギたちはお散歩が大好きです。日中は杭とロープで繋ぐことがほとんどですが、飼い主と一緒にお散歩するときはロープなしで自由にさせてあげています。
敷地内にはいろいろな植物が生えているので、お散歩中のヤギにとってはいつでも豪華なビュッフェ状態。雑草を食べている姿を見ていると幸せだな~と思っているのも束の間……!
雑草だけでなく、わざわざお金をかけて購入したお花や家庭菜園の野菜などもお構いなしで食べてしまいます。
特にヤギは花弁が好きなので、花びらを見ると飛びついて食べます。綺麗なお花もすっかりヤギさんの胃袋の中へ。グスン。
これまでで一番困ったのは、柿の新芽を食べられてしまったことです。腰丈くらいの若い柿の木を2本ほど植えたのですが、ヤギは柿の新芽が大好きでほぼ丸裸にされました。
こんな感じで、ヤギを飼うと雑草を食べてくれるというメリットはあるものの、大切な庭木やお花も遠慮なく食べられてしまうことがしばしばです。
電気柵の導入がおすすめ
さてこんなことになっては田舎暮らしの醍醐味である家庭菜園が楽しめません。また、守りたい樹木がある場合にも困ってしまいます。
そこでなにか対策はとれないか?と考え、敷地内にある小さな畑の周囲に電気柵の導入を検討することにしてみました。
念のため電気柵について説明をしておきます。
電気柵とは、ワイヤーに断続的に電気を流す装置のことで、侵入されたくない空間の周囲を専用の支柱とワイヤーで囲います。電気が流れるワイヤーに触れた動物は軽い衝撃を受けることで、恐怖心を覚えます。
電流は常時流れているわけではなく、殺傷能力はなく、動物を傷付けることはありません。怖いと思う心理に作用させ柵に近付かせないようにするので「心理柵(しんりさく)」と呼ばれたりもします。
今回はヤギで解説をしていますが、本格的に農業を営まれている方は害獣(イノシシ、シカ、ハクビシン、サル、クマ等)対策として活用されていますね。
私たちのように「守りたい空間を囲む方法」もありますが、ヤギを「囲った柵の中で放牧する方法」もあります。ただ、後者は難易度高めで注意点が多いです。
具体的には以下の点に気を付ける必要があります。
【ヤギを電気柵で囲った中で放牧させる場合の注意点】
- 牧区内に草やエサを十分に確保する
- 空腹時や発情期は飛び越える可能性があるため高さを十分に考慮する(電気牧柵の場合、最低でも3段張りが必要とされていて、地面から20、45、70~90cmは必要)
電気柵に対するヤギの反応は?
電気柵を設置すると果たしてヤギに効果はあるのでしょうか?一番気になるところですよね。
お答えは……非常に効果があります!
我が家で電気柵を初導入した時のエピソードを少しばかりお伝えします。
ヤギたちはいろいろなことに興味を持つので、電気柵を設置したその日も電気柵のワイヤーにフラッと近付いていきました。なんでも鼻でクンクンする習性があるので、ワイヤーのこともクンクン……。
その瞬間にパチッ!
初めての衝撃なので、ヤギたちはびっくりして走って逃げてしまいました。その後はワイヤーに近付こうともしません。これは効果があるぞと思い知った瞬間でした。
ちなみに人間がワイヤーに触ってもパチパチします。強めの静電気に似た衝撃で、まあまあ驚きます。飼い主もなるべく触れたくないです(汗)
ちなみに二頭飼っているうちの一頭はなんともなかったのですが、もう一頭は翌日まで電気柵のショック(心理的な意味での)を引きずっていました……。
翌々日にはすっかり元通りになったので一安心でしたが、デリケートな性格の子は傷付いてしまうことがあるようです。
デリケートな性格のヤギさんの場合、電気柵を初体験した日はできるだけ多めにブラッシングしてあげたり、優しく声をかけるなどフォローが大切かなと思います。
おすすめのソーラー電気柵
我が家で使用している電気柵をご紹介します。
ソーラー式の電気柵「まもる君」です。
株式会社末松電子製作所(熊本県)というメーカーさんの商品です。
ソーラー式なので、近くにコンセントがなくても問題なく使えます。作りはシンプルで、本体、ポール、電柵コードを繋げて使います。コードは100メートルの商品を選びました。
ちなみにソーラー式の交換目安は約5年だそう。我が家では使い始めて1年以上が経過していますが、特に故障することもなく快適に使えています。
ヤギも電気柵の周囲には近付こうとしないため、畑の野菜や一度死にかけた柿はしっかりと守られています。
唯一デメリットを挙げるならば、夏場は雑草がコードに絡みやすい点ですね。特にヤブカラシはツルを遠慮なく伸ばしてくるので要注意です!
雑草がコードに絡みつくと、雑草部分が焦げ付いたり、電流がうまく流れなくなったりするので、電気柵の周囲は綺麗に整える必要があります。
ただ、ヤギも電源がいつもOFFだと怖さを忘れてしまうため、たまにONにして学習させる必要があります。
購入先についてですが、我が家で使っている「まもる君」はホームセンター(カインズホーム)で手に入れました。店舗で購入しなくてもオンラインショップもあるようです。
アマゾンでは同じメーカーの製品があったのでリンクを貼っておきます。
まとめ
ここまで電気柵とヤギの関係について解説をしてきました。大切な花や野菜など、ヤギに食べられては困るものは電気柵のなかへまとめてしまうのがおすすめです!ソーラー電気柵であれば電源が近くになくてもOKです。ではまた。
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本ブログの内容を大幅アップデートし、一冊の体系的な教科書としてまとめました。
編集さんとともに丁寧に仕上げましたので、すでにヤギを飼っている方も、これから飼う方も、ぜひお手に取っていただけますと嬉しいです。
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