これから民泊を運営したいと考えている方の中には、お客さんに対して食事の提供をしたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
私たちも、食事の提供をしたいと考え、どのような提供方法が可能なのか、県へ問い合わせるなど徹底的に調べました。結論から言うと「できる」のですが、設備を整えなくてはならない場合があります。
この記事では、家主滞在型民泊において、食事の提供をするにはどのような方法があるかまとめてあります。これから民泊で食事を提供したいと考えている方のお役に立てれば幸いです。
飲食店営業
住宅宿泊管理業(民泊)においても、飲食を提供するためには、飲食店営業許可が必要です。
この許可を取るためには、都道府県知事が定めた製造施設、製造設備などの基準に適合する必要があり、管轄する保健所で基準等の確認が必要となります。
一般に飲食店営業許可は、家庭用とは別の調理設備(キッチン)を必要とします。そのため家主滞在型民泊では、家主が調理設備を使っているため、別のキッチンを整備しなければなりません。
家主居住型民泊施設における飲食店営業の許可の規制緩和
飲食店営業許可を取得するには、別のキッチンが必要と言いましたが、実は規制緩和が進んでいます。
厚生労働省は、内閣府のワーキンググループでの議論を経て、薬生食監発0827第2号という文書を都道府県に送りました。
その内容は、ざっくりいうと、
- 宿泊客に対してのみ食品を提供するための営業許可は、家庭用台所と併用してOK
- 手洗い、便所、更衣場所、床面、内壁の材質等についても併せて配慮すること
という内容です。
都道府県において対応が違うみたいなので、この規制緩和に基づいて食品店営業許可を取得したい場合は、各都道府県または保健所まで問い合わせてみてください。
残念ながら、茨城県では現時点でこの規制緩和は考えていないそうです。
近隣の飲食店に行ってもらう
飲食店営業許可が取れないのなら、近隣の飲食店を使ってもらうしかありません。私たちもそうしていますが、地域の料理、おすすめのお店を紹介しています。
宿泊するだけでなく、地域全体を楽しんでもらうことができます。
自主調理・共同調理
飲食は提供できませんが、食材のみ提供し、お客さんによる「自主調理」していただくという方法、お客さんによる調理を手伝う「共同調理」という方法があります。
これらは、民泊などにおいて規制緩和の結果、可能となっていて、お客さんに家庭用キッチンを貸し出し調理してもらうことが可能という事です。
ただし、自主調理・共同調理については、都道府県ごと、保健所ごとに考えが違う可能性があります。それぞれ管轄する都道府県または保健所へお問い合わせしてみてください。
食材の販売
前述した通りお客さんが自分で料理を作る場合、食材を販売していいかという課題が見えてきます。
コメや野菜などの農産物については、販売可能です。
一方、肉や魚を販売するためには食品取扱届出が必要です。これにより精肉店や魚店がパッキングしたものをお客さんに販売することが出来ます(パッキングしなおしたり、盛り付けしなおしたりすることはできません)。
BBQ食材をお客さんに販売したい場合、食品取扱届出を提出するのが良いかもしれません。飲食店営業許可よりは簡単です。
まとめ
民泊においても、飲食店営業許可がなければ飲食物の提供は出来ないことが分かりました。飲食店営業許可は都道府県または保健所の指導の元、適切な設備等を導入しなければなりません。
一方、国による規制緩和が進んでいて、家庭用台所と営業で用いる調理場所の併用を認めるよう厚生労働省は文書を出していました(茨城県では無理でした)。
また、飲食を提供しない方法として、近隣の飲食店を活用してもらったり、キッチンを貸し出してお客さん自身で料理をしてもらうことが考えられました。
この記事が、民泊で食事を提供したいと思っているみなさんのお役に立てれば幸いです。飲食の提供については、都道府県や保健所の指導の元、適切に行ってくださいね。ではまた。