ヤギを飼ってみたいかも?と感じると、ヤギの飼い方について具体的に調べたくなりますよね。
……ですが、ちょっとお待ちを!
飼い方を調べる前に、もっと根本的な話=本当にヤギを飼える体制にあるのか?ということを知っておいた方が良いのではと思います。飼ってから後悔して、人もヤギもこんなはずでは……!とならないためにも非常に重要なテーマかと思います。
ということで、実際に二頭のヤギさんを飼っている筆者が解説をしてみます!
この記事では、ヤギを飼育していて感じるデメリット、ヤギを飼う前に心得ておきたい重要事項、をご紹介しています。
筆者自信もたくさん悩みながら育てていて、泣きたくなることもありますが、なんだかんだヤギさんたちとは仲良く過ごしています。喜んでくれたり、ハグしてもらえるととても嬉しいですし、ヤギが幸せそうだと自分も幸せになります。
この記事を読んで、ヤギを飼おうかどうしようか迷っている方が、自分なら大丈夫そうだ!とか、自分には無理そう!と感じてもらい、意思決定の判断材料になれば嬉しいです。
飼育していて感じるデメリット
我が家では、トカラヤギといって小型のヤギを二頭飼育しています。双子なのでとても仲良しさんです。
ヤギは人になつきますし、一緒に遊んでくれるので、とても愛らしい生き物です。見た目もチャーミングで、眺めているだけでもほんわか癒されます。
しかしどんなことにもデメリットは付き物というもの。ヤギを飼っているなかで感じるデメリットは以下です。
- 雑草が無くなる冬はエサ代がかかる
- 天候が悪い日は飼い主も濡れる・汚れる
- 365日お世話する必要がある(子育てと一緒)
- 長期旅行に行きにくい
- ヤギを診れる獣医が少ない
- 心配事が増える(情報が少ない)
ヤギを飼って1年半になりますが、大きなところでいえば上記のデメリットが思い付きました。
ヤギを飼う前に心得ておきたい重要事項
【1】季節問わず大量の草を用意できるか
ヤギを飼ってみて感じることは、想像以上に大量の草を食べる、ということでした。一頭につきコンテナ一杯分の草などは、ペロッとたいらげてしまいます。我が家は敷地が900坪と土地が広いのですが、それでもエサの調達にヒヤヒヤすることがあります。
また、いろんな草をまんべんなく食べる、ということにも驚きました。ヤギは、たくさんの種類の草をちょこちょこ食べるのが好きなんですね。そういう意味で、決まったペットフードだけを与えていれば良い愛玩動物とは大きく異なるかなと思います。
そして難しいのは、夏は大量の雑草があるから良いものの、冬は草が枯れてしまいます。そすると、牧草を用意してあげるしかありません。高額なものではありませんが、費用がかかるのは事実です。くず野菜を調達しやすい環境であることも重要です。
【2】大雨でも台風でも世話ができるか
ヤギは屋外で暮らしています。人間と一緒の部屋で暮らしているわけではないので、どんなに大雨が降っても台風がきても、小屋で飼い主がやってくるのを健気に待っています。
雨が降っていたり強風の日は、外に出るのも億劫です。それでもどんなときもヤギ小屋へ向かい、彼らのお世話をします。エサをやるのはもちろん、水の取り替え、床の清掃、フン取り、体調観察などを行います。天候が悪いと飼い主も非常に汚れます。
【3】飼い主が体調不良でも世話が滞らないか
ヤギを飼っているということは、幼稚園児がいるのとほぼ同じだと思います。ご飯の調達など生活周りのことは当然ですが、あやしてあげたり撫でてあげるなど「甘やかす」作業も必須です。ヤギは繊細で、飼い主の愛情がないとどんどん不安になっていきます(草食動物あるある)。
まさに365日のお世話が必要になるイメージですね。そんな状況で、例えば自分が体調不良になったとき、自分以外の家族が世話をしてくれる体制はあるでしょうか。家族の協力がないとなかなか切羽詰まってしまうかもしれません。我が家は夫も積極的にヤギの世話をしてくれるので、二人体制ということになります。
ちなみに我が家のヤギさんは里親さんから譲り受けた子たちですが、世話が大変で手放す方が多いのも頷けます。
【4】長期旅行に行けなくても我慢できるか
私たち夫婦はもともと二人とも旅行好きなタイプでした。特に私は旅行サイトのライターとして活動していることもあり、お出かけするのが日常的でした。それが、ヤギを飼ってからは(コロナも重なり)、以前のように頻繁に旅行へは行けなくなりました。
旅行してもせいぜい一泊二日です。一度だけ二泊で遠出したことがありましたが、シーズン的に夏で、かつ近所の知人に水の取り替えをお願いしていったから出来たことです。
近所によっぽど理解のある方がいてくれるか、親戚などが協力してくれる体制でない限り、長期旅行は難しいと思います。犬のようにペットホテルがあればいいですが、そうもいかないですね。そのような生活をどう感じるのか、よく検討されてみるのがおすすめです。
【5】注意深くヤギの体調を観察する余裕があるか
時間的余裕、精神的余裕の二点が大切です。これはヤギに限った話ではありませんが、生き物を飼う以上、日々の健康チェックは飼い主の責任になってしまいますよね。ヤギさんたちの様子を、毎日余裕を持って気にしてあげる必要があると思います。
健康チェックのポイントは、基本的にはフンを見てあげれば大丈夫なので、難しいことはありません。ただ、ヤギは一度体調を崩すと戻るまでに時間がかかると言われています。ヤギを診れる獣医師が少ないのも問題です。そうならないように、日々の健康を見守ります。
【6】ヤギの幸せを本当の意味で考えられるか
一番大切なのは、ヤギの様子を丁寧に観察してあげて、問題が発生したらすぐに対策をしてあげることだと思います。
私が苦労したのは虫対策でした。夏の時期は、蚊やサシバエなどヤギのストレスになる害虫が一気に増えます。それらを発見しても放置しておくのか、少しでも対策をしてあげるのかは飼い主にかかっているでしょう。
これはほんの一例ですが、ヤギが少しでも困っていそうなことがあれば、問題を見過ごさず逐一向き合っていくことが大切だと思います。
まとめ
ここまで、ヤギの飼い方を調べる前に、そもそもヤギを飼えるのか?心得ておきたい重要事項はなんなのか?を解説してきました。この記事がヤギを飼う前の情報源になってくれたら嬉しいです。ではまた。
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編集さんとともに丁寧に仕上げましたので、すでにヤギを飼っている方も、これから飼う方も、ぜひお手に取っていただけますと嬉しいです。
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