ハローワークが窓口となっている職業訓練ってよく耳にしますよね。実際どんなことが学べて、どんな雰囲気で、通うにあたってどんな良さ悪さがあるのでしょう?これから行く人にとっては気になるところですよね。
そこで、実際に職業訓練に2回通ったことのある筆者が解説します!
この記事では、職業訓練にどんな種類があるか、受講までのざっくりした流れ、実際通って感じたメリットとデメリットをご紹介しています。特にデメリットでは「こんなはずじゃなかった」といった失敗談も含めてお話しています。
この記事が職業訓練に通うかやめるか迷っている人にとって、何か手助けになりますように!
職業訓練のこと
どんな種類がある?
職業訓練にはいくつか種類があります。今回は最も一般的かつ私も利用した以下2つの訓練を紹介します。
- 求職者支援訓練
- 公共職業訓練(離職者等訓練)
職業訓練を検討し始めたらまずは自分がどの立場にあるかを確認します。
大まかに言うと「雇用保険を受給できる・できない=離職してすぐなのか?それともブランクがあるのか?」によります。
雇用保険を受給できない人→求職者支援訓練
【例】
- これまで専業主婦だったけれど、新しい仕事に挑戦するため専門知識を身に付けたいと思っている人。
- 雇用保険(いわゆる失業手当など)の受給期間が終わってしまったけれど、専門知識を身に付けてから社会復帰したいと思っている人。
雇用保険を受給できる人→公共職業訓練(離職者等訓練)
【例】
- 雇用保険(いわゆる失業手当など)を受給している間、就職活動だけでなく専門知識を身に付けるべく学びの時間にあてたいと思っている人。
原則はこうなっていますが、実際のところハローワークの担当者次第というところがあって、例えば雇用保険を受給していなくても公共職業訓練(離職者等訓練)に参加できたりもします。
いずれにしてもハローワークの許可がないと訓練には参加できませんので、受講したい旨を担当者に伝えてみてください。注意ですがハローワークの許可があっても選考試験に合格しないと訓練の受講は難しくなります。
受講できる内容は本当に様々です。
例えば、IT系(MOS合格を目指す)、不動産系(宅建合格を目指す)、調理系(調理師免許取得を目指す)などなど幅広くあります。職業訓練一覧はハローワークに冊子が置いてあったり、インターネットで調べることができます。
授業料は無料です。テキスト代、資格試験受験料、駐車場代、交通費等は自己負担です。
受講までの流れは?
職業訓練に参加するまでのスケジュールを書き出してみます。
住所を管轄するハローワークへ行って職業相談を受ける。
職業訓練一覧が掲載された冊子(コースガイドなどと呼ばれる)を参照し、通いたい訓練を見つける。
ハローワークの担当者に訓練に参加したい旨を伝える。
※このとき受講理由が明確で、相手も納得できるかがポイントになります。ハローワークの人は就職が最終ゴールだと思っているので、就職に繋がらなさそうだなと判断すると許可を出してくれません。
ハローワークから許可がおりたら次は選考試験を受ける。
※定められた日時と場所があるので、そこで試験を受けます。
↓私が受けた2回の試験はこんな感じでした。↓
【求職者支援訓練】
- 試験を受けた場所:訓練を委託された学校(いわゆる普通の予備校)。
- 試験内容:面接のみ。
- 雰囲気:穏やか。ゆったりとお話できる感じ。就職活動の面接というより世間話のようなイメージ。
【公共職業訓練(離職者等訓練)】
- 試験を受けた場所:ハローワークと提携した県立の専門学校(職業訓練法に則り運営)。
- 試験内容:適性検査(GATB)のみ。GATBとは厚生労働省が推奨する一般職業適性検査で、音声案内に従って問題を解いていく試験です。事前準備は必要ないですが、問題数が多いので当日は集中した方がベターです。図形、言葉、数字、など範囲は広いです。
- 雰囲気:かっちり。緊張する雰囲気。
選考試験に合格したら、訓練学校に通い始める。
ざっくりとした流れはこんな感じです。
職業訓練に通うメリット
【1】望んだスキルが身に付く。
自分で希望した訓練に通うのですから、内容は楽しめるはずです。楽しめなくならないように「何となく受ける」のはおすすめしません。
【2】短期集中でスキルが身に付く。
職業訓練は大人の学校です。平日フルで通います。まさに短期集中型の学校なので、学びだけにグッと集中できるのがよいです。
【3】資格取得に燃える。
訓練によっては資格試験合格を目指すことがあります。私はこのパターンだったのですが、合格に向かって頑張るのみでした。
【4】新しい人間関係が生まれる。
学校でしか出会えない人たちがいます。生徒さん、先生、それぞれ気の合う人とは学校を卒業してもお付き合いが継続しています。
【5】生活にメリハリができる。
平日フルで学校生活をしていると、規則正しい生活になります。出席をとったり、遅刻時間も記録されてしまうので必然的に早起きになります。
デメリット
【1】訓練校の人間関係が合わない可能性がある。
これ要注意です。
「こんなはずじゃなかった」となりやすい最もよくあるパターンだと思います。ちなみに私はこれで苦しみました。対策としては募集人数が少ない講座を狙うことです。正直10名以下がおすすめです。30名になるともう崩壊してきます。世の中いろいろな人がいますので(笑)。
【2】ヤル気のない人がいる。
【1】とも繋がるお話です。
なかには「ヤル気なし・おしゃべりに来ているだけの人」もいます。人数が多いクラスであればあるほどその可能性は高まります。逆に訓練に人生かけてる人も一定数いるので、そのギャップが残念です。私は人生かけてる側だったのでヤル気なし層のおしゃべりが辛かったです(泣)。
【3】訓練によっては付いていくのに必死。
例えば資格試験合格を目指す場合、短期集中で知識をひたすら詰め込むので大変です。朝~夜まで勉強浸けです。宿題も多いです。辛くて辞めた人を見たこともあります。
【4】平日フルで通う必要がある。
基本的には平日フルで学校が入ります。ゆったりとした生活はできません。
【5】就活のプレッシャーをかけられる。
勉強に追われながらも、ハローワークからは就活のプレッシャーがかかります。あくまで就職を前提にした訓練だからです。うるせぇ……と思うこともありましたが、なんせ授業料無料で訓練を受けているのでなんとも言えないですね。
まとめ
ここまでハローワークが窓口となっている職業訓練について、受講までの流れ、通うメリット、デメリット、雰囲気などをご紹介してきました。短期集中でがっつり学びを深めるのは楽しいですよ。しかし何事にも人間関係はつきものですね。ではまた。