民泊を運営していると、ゲストからの感想をもとに設備を充実させたり、水回りなどをリフォームしたいと考えるようになると思います。しかし、自費で直すのは経済的になかなか大変ですよね。
そういう時に活用したいのが補助金です。特に、商工会が窓口となっている「小規模事業者持続化補助金」は初心者でも応募しやすく、民泊運営者にとって嬉しい内容となっています。
ということで、実際にこちらの補助金を申請し、採択され、報告も完了した筆者がわかりやすく解説をしてみます!
この記事では、小規模事業者持続化補助金の概要、対象者、民泊でできること、使える経費の例、申請方法、採択されたあとの流れ、をご紹介しています。
これで、「小規模事業者持続化補助金」について理解が深まりますように!
小規模事業者持続化補助金とは?
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が制度変更などに対応して、生産性向上と持続的発展を図ることを目的とした補助金です。
中小企業庁が管轄し、地域の商工会などが相談窓口となってくれています。
販路開拓などの取組の一部経費(50万円、補助率2/3)が補助されます。
補助金額の50万円(補助率:2/3)とは、すなわち販路開拓などに75万円を使用すると、50万円補助してもらえるということです。
特例(新規開業、特定創業支援を受けている等)に当てはまると、補助上限が最大100万円に上がります。その場合、150万円使用すると、100万円補助されます。
なお、この補助金の申請には開業届を提出している必要があります。
事業を行うにあたり開業届は義務ではありませんが、この補助金のように提出しておくことが申請の要件になることがあります。
https://kominkaijyu.com/notification-opening-business-freee/
補助金の対象者は?
補助金の対象者は「小規模事業者」です。
「小規模事業者」と聞くと、個人事業主でも対象になるか気になりますよね。ここでいう小規模事業者は、業種ごとに従業員数で小規模事業者であるか否かを判断されます。
具体的には常時使用する従業員の数で決まります。
- 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業以外):5人以下
- サービス業(宿泊業・娯楽業):20人以下
- 製造業その他:20人以下
株式会社などの法人格の有無は関係ないため、個人事業主も対象となります。
ただし、株式会社や合同会社などは対象ですが、医師・歯科医師や一般社団法人などは補助の対象にはなりません。
民泊で何が出来るの?
この補助金を活用して、民泊では例えば以下のことができます。
- ホームページをリニューアルした販路拡大
- 和の空間を意識した客室のリニューアル
- 客室をワ―ケーションに使えるように改装
- 従業員の業務効率化のための洗濯乾燥機の導入
- 非接触型の民泊施設にするためオートロックキーの導入
など。
補助金で使える経費は?
補助金の対象となる経費は以下です。
- 機械装置等費
- 広報費
- 展示会等出展費
- 旅費
- 開発費
- 資料購入費
- 雑役務費
- 借料
- 専門家謝金
- 専門家旅費
- 設備処分費
- 委託費
- 外注費
といわれても、それぞれの項目で具体的にどんなことが出来るか分かりにくいと思います。
ここでは、民泊において例えばどのような活用方法が可能か、一部の経費について記載してみます。
- 掃除ロボットや洗濯乾燥機の購入【機械装置等費】
- 空気清浄機の購入【機械装置等費】
- チラシやホームページの作成【広報費】
- インターネットでの予約システムの構築 【広報費】
- 専門家へ客室のデザインについての相談【専門家謝金】
- 客室やトイレの改装【外注費】
- オートロックキーの導入【外注費】
- ウッドデッキの設置【外注費】
※不動産の取得費用は対象外です
補助金の申請方法・手順
【1】募集要項と申請書をダウンロードする
この補助金は、商工会または商工会議所が窓口となっています。
お住まいの地域(事業を行う地域)にあるのが商工会か商工会議所のどちらか確認して、各ホームページからダウンロードしてください。
基本的には令和3年度であれば、令和3年度小規模事業者持続化補助金のページを見ることになるのですが、補正予算により異なるケースがあります。
【2】「経営計画」と「補助事業計画」を作る
小規模事業者持続化補助金の「経営計画」と「補助事業計画」は、(Ⅱ.経費明細表、Ⅲ.資金調達方法を除く)は最大8枚程度までで作成することになっています。
民泊における作成事例は以下の2記事にまとめましたので、参考にしてください!
経営計画の書き方▼
補助事業計画の書き方▼
【3】地域の商工会(または商工会議所)に事業支援計画書の作成・交付を依頼する
作成前から商工会(または商工会議所)に連絡している方もいるかもしれませんが、本来の流れとしては「経営計画」と「補助事業計画」を作成したら商工会等に連絡します。
商工会の支援員によっては、申請書類を丁寧に確認、修正してくれることもあります。わたしたちは大いに助けられました。
そしてその申請書類をもとに、商工会等は事業支援計画書の作成・交付することになっています。
【4】申請書類を提出する
郵送するか電子申請により申請書類を提出します。私たちは郵送(ゆうパック)を選びました。
提出した申請書類を基に、日本商工会議所(もしくは全国商工会連合会)による審査があります。あとは結果を待ちましょう。
採択されたら
わたしたちは10月初旬が締切の回で提出し、翌年1月中旬に採択結果が届きました。
そこから7月末までが事業実施期間(補助金で申請した工事や作業を行う期間)でした。
採択されたら、ルールにのっとって事業を進めましょう。
例えば、
- 一定金額以上の購入は原則振込
- 一定金額以上の購入では見積書・納品書・請求書・領収書が必要
- 店舗改装の前後の写真を撮影
上記は一例ですが、他にも細かいルールが多数あります。
まとめ
今回は、小規模事業者持続化補助金について、民泊で使える具体的な例を挙げながら紹介しました。
補助金は申請するのも少し大変ですが、50万円(特例の場合は100万円)もらえることを考えると、挑戦してみてもいいのではないでしょうか。この記事が、民泊を運営する方の役に立つと嬉しいです!ではまた。