庭の色んな雑草を食べてくれる我が家のヤギさんたち。好きな草、嫌いな草があるみたい。
たまにテレビ番組で、耕作放棄地の再生にヤギを活用する取組が紹介されていますよね。耕作放棄地の厄介な雑草に「セイタカアワダチソウ」が挙げられますが、ヤギは好んで食べるのでしょうか?
この記事では、我が家の2頭のヤギに実際にセイタカアワダチソウをあげてみた様子とともに、セイタカアワダチソウが生える耕作放棄地にヤギを放した大学の研究成果を紹介しています。
飼っているヤギさんのエサの検討や、耕作放棄地の再生に活用しようとしている方の参考になれば嬉しいです。
実際にセイタカアワダチソウをあげてみた
セイタカアワダチソウは北アメリカ原産の植物。
黄色いふさふさの花を見たことがあると思います。日本の侵略的外来種ワースト100になっています。
そんな厄介な草なので、食べてくれたら嬉しいですよね。我が家の庭にも生えているので積極的に食べてくれないか考えてしまいます。
では、実際に与えてみます。外につなげない日(雨の日など)はコンテナに刈り取った草を入れ与えてますが、その中にセイタカアワダチソウも入れてみました。
しばらくして、のぞいてみると、セイタカアワダチソウだけが残っていることも。翌朝にはなくなっているので、食べなくはないようです。優先順位が低いのでしょう。
選好性は高くないものの、食べなくはないという感じでしょうか。春先のセイタカアワダチソウはまだマシって感じで、秋冬になって固くなってくると更に選好性が低くなる気がしました。
耕作放棄地にヤギを放牧した場合
鹿児島大学の研究
鹿児島大学はセイタカアワダチソウが優占する耕作放棄された水田(10アール)にヤギ3頭を約3か月間(7~9月)、放牧する実験を行いました。
その結果、セイタカアワダチソウに対するヤギの選好性は必ずしも高くはないものの、セイタカアワダチソウが優占する耕作放棄水田跡地にヤギを放牧することで十分な除草効果が得られたみたいです。
研究成果によると、外見上はヤギの健康状態に問題なかったことから、追加の飼料等は必要なく、自給飼料(生えている草)のみで問題ないと報告しています。
以下がそれです。
岐阜大学の研究
岐阜大学は、放牧前にセイタカアワダチソウなどの被覆が多い耕作放棄地(0.3ヘクタール)に2年間ヤギ9頭の放牧を行い、ヤギの栄養状態に及ぼす影響を研究しました。
ヤギの血清中成分濃度(ミネラル含量など)は概ね基準値の範囲、また放牧中のヤギの体量に大幅な増減は見られなかったといいます。このことから、摂取量や消化率に季節変化はあるが栄養の不足はなかったと判断しています。
放牧密度やセイタカアワダチソウの優占率にもよると思いますが、栄養状態を悪化させることなく、少なくとも2年間は荒廃農地の野草のみで放牧を行うことが可能であることが分かっています。
まとめ
この記事では、ヤギがセイタカアワダチソウを食べるか紹介しました。実際に挙げてみると、ほかの草(ヨモギ、ススキ、クローバーなど)を優先して食し、セイタカアワダチソウを食べる順番は最後でした。
選好性は高くないものの食べてくれることが分かりました。また、鹿児島大学や岐阜大学の研究成果でも、選好性は高くないものの、耕作放棄地の除草効果はあることが示されています。その場合の健康状態も問題ないようです。
個人的には、セイタカアワダチソウだけを刈り取ってあげることは、好ましくないのではいかと思っています。バランスは大切ですよね。
この記事が、ヤギのエサとしてセイタカアワダチソウがどうなのかを知るきっかけになってくれたら幸いです。