布製品の原料となるコットン。大量生産の過程で環境破壊が起きていることが指摘されていますよね。そんなコットンですが自分で栽培することは出来ないのでしょうか。もし自家栽培できたら嬉しいですよね!
ということで、実際にコットンを種まき~収穫まで成功した筆者が解説してみます。ポイントさえおさえれば誰でも上手に真っ白でふわふわのコットンを実らせることができます。
この記事では、コットン栽培の大まかなスケジュール、品種について、栽培の具体的な手順、種の数とコットンの量、をご紹介しています。
これで自分で可愛いコットンを栽培できますよ!
コットン栽培の大まかなスケジュール
まず初めにコットン栽培の大まかなスケジュールをお伝えしておきます。種まき~収穫まで4~5か月程度です。
以下の日付は実際に作業を行った日です。
4/25 ポットに種まき
5/3 芽吹きの確認
5/17 葉が増えた
5/24 畑に植え替え
6/21 高さ約20cmになる
7/? 高さがどんどん伸びる
8/? つぼみの確認
9/3 つぼみが弾けて最初のコットンを収穫(高さ約70~80cm)
10/1 最後のコットンを収穫
こんな感じです。
大体春~秋にかけて栽培する感じですね。乾燥を好む植物らしく、夏の暑さにも全くへこたれず丈夫でした。そういう意味で、手間もかからず育てやすいです。
品種について
栽培したのは以下です。
- 品種:アルボレウム(アジア綿)
- 銘柄:会津種
東京にてコットン栽培活動をされているTokyo Cotton Villageさまより種をお譲り頂きました。
綿花の分類はいろいろあり複雑です。これは品種改良、自然交配などが行われ、たくさんの雑種ができてしまうからと言われています。そのうえで世界の綿花は次の4種に分類されているそうです。
- アルボレウム(原産地インド、アジア綿)
- ヘルバケウム(原産地インド、アジア綿)
- バルバデンセ(原産地ペルー、海島綿)
- ヒルスツム(原産地メキシコ、アップランド綿)
どれも読みにくいですね。
今回私が栽培したのは「アルボレウム」で、こちらはインド発祥の品種です。インドから東方へと広がったと考えられています。日本や中国で古くから栽培されている綿花はアルボレウムです。
それではさっそく以下より栽培の手順をご紹介していきます!
【手順1】種まき用のポットを用意する
直播きではなく、ある程度成長するまでポットで栽培しました。
ポットと言っても市販のヨーグルトが入っていたプラスチック製の容器です。裏側に水が抜ける穴を開けて利用しました。余談ですが、小岩井ヨーグルトの容器が頑丈でおすすめです。
【手順2】ポットに土と種を入れる
ポットに土を入れたら真ん中に深さ1cmの穴を開けて、そこへ種を2粒入れます。その後土をかぶせて、上から指で軽く押さえます。
水やりは、土が乾燥してきたら少し湿らす程度に行います。
【手順3】芽が出て高さ約5cmになったら植え替える
種まきしてから1週間で発芽しました。
その後さらに2週間で葉が増えました。目に見えて成長するので安心です。
高さ約5cmになったらこれまでのポットを卒業します。植え替え先は、畑か植木鉢(直径15cm以上)です。私は畑にしました。
植え替えのポイントは、一株ずつ適切に距離を開けることです。大体30cm程度の間隔で植えればOKです。近すぎると成長した時に葉っぱ同士がぶつかったり、収穫の際に過密で取りづらくなります。
【手順4】成長を見守る
植え替えをしてからは気温がどんどん上がり、夏に向かっていく季節だと思います。ですが、特に水やりの必要はありません。土が乾いていても丈夫に成長していきます。
最終的には高さ約70~80cm(腰よりは低い位置)になりますが、その高さに向かってどんどん伸びていきます。
緑色のつぼみも確認できるようになります。つぼみが弾けるとコットンが顔を出します。
【手順5】つぼみが弾けたらコットンを収穫する
大体9月~10月で収穫シーズンです。つぼみが弾けると中からコットンが出てきます。
最初は小さくしか開いていないので、数日間様子を見ています。すると、どんどんつぼみが大きく開いてきてコットンが収穫しやすくなります。コットンがふわふわになり、自然と落っこちそうになるところを収穫です。
あまり開いていない状態で収穫しても大丈夫です。しばらく置いておくと開いてきます。
ちなみにまだ弾けていないつぼみの状態で収穫してしまってもOKです。そのまま放置しておけば数日後には弾けます。
根っこごと抜いて土から出してしまっても弾けます。
ここまでが種まき~収穫までの流れと手順になります。
繰り返しになりますが、コットンは畑に植え替えてからは水をやらなくても大丈夫です。元気に育ちます。
ただ細長い植物なので、台風や強風の影響で根っこから倒れてしまうこともあります。棒とヒモで固定するという方法もあります。
今年はやりませんでしたが、もう一度チャレンジするときは固定したいなと思っています。
種の数とコットンの量
どれくらいの数の種を撒くと、どれくらいの量のコットンが出来るのか気になると思いますので、まとめてみます。
種まきに使った数:40粒
発芽までの間に管理していたポットの数:20個(1ポットに2粒の種)
発芽したポットの数:16個(4個のポットは発芽せず)
収穫したコットンの量:種を含んで231.5g(白色224.5g/茶色7g)
※ヤギに20個ほど食べられてしまいました。
もう少し分かりやすいように28cm×43cmのカッティングボードにのせて撮影してみました。
左が種を取り除いたコットンです。右上が種を取り除く前のコットンです。右下が種です。
コットンはふわふわで綿雲のようです。
なぜか茶色いコットンも手のひらにのるくらい収穫できました。茶綿は種まで茶色くて、レトロな色合いです。
白いコットンと比較すると結構茶色いのが分かります。突然変異で緑がかった色のコットンが出来ることもあるそうで、次回はできるといいなと思っています。
まとめ
ここまでコットンの種まき~収穫までについてご紹介してきました。見た目がとても可愛らしい植物で、質感もあるので育ててみてとても楽しかったです。ではまた。