引越しをきっかけに冷蔵庫の買い替えを考えている人は多いと思います。よく冷蔵庫の買い替えは10年だ、と聞きますが本当なのでしょうか?具体的な判断材料が欲しいですよね。
ということで、国立環境研究所でサイエンスライターをやっている筆者が解説をしてみます!
この記事では、冷蔵庫は何年使えるか、最新モデルの冷蔵庫の電気代について、冷蔵庫の消費電力を調べる方法、「しんきゅうさん」が便利、実際の買い替え判断、をご紹介しています。
これで、冷蔵庫の買い替えや節電について網羅的に理解が深まりますように!
冷蔵庫は何年使える?
冷蔵庫の買い替えの目安として10年とよく聞きます。
それは、一定程度の年月が経つと技術開発が進み、節電効果が高まるからです。また、修理する場合には部品が必要ですが、メーカーは新しいモデルをどんどん発売していくので、修理用の部品もなくなっていきます。
10年はそれらの目安になるでしょう。
一方で、30年使っても壊れないという話もよく聞きます。
「冷蔵庫が冷えない」、「水が漏れる」などのトラブルがなければ、電気代が節約できるかはともかくとして、使えるということは確かでしょう。
最新モデルの冷蔵庫の電気代は安い?
例えばパナソニックの冷蔵庫で、15年前、10年前、最新の冷蔵庫の電気代を比較してみます。
【15年前の冷蔵庫/2006年モデル】
- パナソニック NR-C375MS(365L)
- 年間消費電力:約490kWh
【10年前の冷蔵庫/2011年モデル】
- パナソニック NR-C370M(365L)
- 年間消費電力:約380kWh
【最新の冷蔵庫/2021年モデル】
- パナソニック NR-C372GN(365L)
- 年間消費電力:約341kWh
確かに年間の消費電力量は少しずつ下がっています。
同じ容量のモデルで、15年前の冷蔵庫と比べると、年間約150KWh、10年前の冷蔵庫と比べると、年間約40kWh消費電力が少なくなります。
東京電力の電力量料金 (1kWh)は月120kWhまでは19.88円です。
実際に150kWhと19.88円をかけた額が年間に節約できる電気代です。15年前の冷蔵庫から買い替えると、年間2,982円の節約になります。10年前の冷蔵庫を買い替えても年間795円しか安くなりません。
なお、120KWhより多く使っている場合は26.46円。
我が家は、東京電力ではなく「ピタでん」と契約しているため、基本料金はなく1kWhあたり約25円です。
ここで注目したいのは、家電量販店で〇〇円節約と掲げられているのは、1kWhあたり26.46円で計算されていることが多い点です。
電気をあまり使わない世帯(120kWhまでしか電気を使わない場合は1kWhあたり19.88円)にとっては、一見、節電効果が大きいように見えますので注意してください。
冷蔵庫の消費電力を調べる方法
今使っている冷蔵庫の年間消費電力量は、冷蔵庫の裏や横に張ってあるラベル、または取扱説明書に書いてあります。
また、型番が分かれば環境省の提供するサイト「しんきゅうさん」で調べることも出来ます。
電力消費量に、電力会社と契約している価格をかけたものが年間の電気代になります。
また、消費電力量は、冷蔵庫の設定温度(弱~強)や、冷蔵庫がおいてある場所、冷蔵庫にどれくらいのものが入っているかなどで違ってきます。
具体的な消費電力量を知りたい場合は消費電力メーターが便利です。
「しんきゅうさん」が便利
年間消費電力量は、冷蔵庫の裏や側面に張ってあるラベルに記載されていると思いますが、冷蔵庫を動かすのは大変なので、環境省が提供する買い替えをナビゲーションしてくれるサイト「しんきゅうさん」が便利です。
現在使っている冷蔵庫の型番、これから購入予定の型番を入力することで、年間消費電力量、年間電気代、年間CO2排出量がどのくらい削減できるか分かります。
実際の買い替え判断は?
例えば、年間の電気料金が3,000円安くなったとして、新しい冷蔵庫を15年間使ったとすると45,000円です。
冷蔵庫の購入金額に満たないのではないでしょうか。
冷蔵庫を買い替える際は、使用年数で簡易的に判断するのではなく、実際の電力消費量に注目してみてください。
また、電気代の節約には、家電の買い替えだけでなく、電力会社の見直しが有効です。
私たちは、「ピタでん」を使っていますが、ガス会社や携帯電話会社などと系列の電力会社と契約することでお得になりますので検討してみてください。
https://kominkaijyu.com/electric-power-company/
まとめ
ここまで冷蔵庫の買い替えは節電になるのか?というテーマでお話してきました。しんきゅうさんなど、サイトを駆使して正確な数字と向き合ってみると、本当に買い替えが必要か見えてきそうですね。ではまた。