日常生活を送っていると税金と触れ合うことってすごく多いですよね。または物件購入など非日常的な出来事のなかでも税金はたびたび登場してきます。税金って身近なわりに難しい言葉が多くて分かりにくくないですか……?
そこで税金について学んできた筆者が、知っておきたい基本用語と基礎知識を解説します。
この記事では、税金を理解しやすくなる基本用語、税金を納める方法、税金の種類、基本的な算定式をご紹介しています。
これで生活するのが楽になる税金の必要最低限の知識が付きますよ!
基本的な用語
さっそく税金にまつわる基本用語を6つ説明します。
【1】課税主体…誰が
これは税を徴収する国や地方公共団体のことです。主に「誰が」私たちから税を集めるのか、といった視点を持つと分かりやすいです。
【2】課税客体…どんな場合に
これは税を徴収する原因となる事実のことを指します。主に「どんな場合に」税を支払う必要性が出てくるのか、という意味です。
例えば不動産取得税の課税客体は?と聞かれたら「不動産の取得」になるわけです。つまり税金がかかる理由を考えればOKです。
【3】課税標準…何を基準に
これはすぐ上で解説した課税客体を数値で示したものと言えます。
例えば不動産取得税の課税標準は?と聞かれたら「固定資産課税台帳価格」になります。どんな場合に税金がかかるか分かっても、具体的な数字がないと税金を計算できないために必要になってくる基準です。
【4】納税義務者…誰に対して
これは文字通り、税を納める義務を負う人のことです。
【5】免税
本来は課税されるものが、一定の要件により課税が免除されることです。
【6】非課税
本来的に課税されないことです。免税との違いに注目です。本当は税がかかるけど支払わなくていいものなのか、当初から税がかからないものなのか、といった差があります。
税金を納める2つの方法
【1】申告納税方式
これは国や地方公共団体ではなく、納税者が自分で税額を計算して税務署長に申告と納付をする方法です。
代表的なものに所得税(儲けに対して課税される税金)がありますね。
【2】賦課課税方式
これは国や地方公共団体が納税額を決める方法です。納税者は納税通知書という書類を受け取り、それに従って税金を納めます。
身近なところで言うと住民税がそうですね。住民税の支払いは、市役所から勝手に書類が送られてきます。
税金の種類
一覧(分類済み)
税金にはたくさんの種類がありますが、分類して考えると分かりやすくなります。
分類の仕方については「税負担を経済活動のどの局面で求めているか」を考えるとスッキリと分かりやすくなります。
経済活動は以下の3つに分類されます。
- 所得課税…儲けた
- 資産課税等…蓄えを持った等
- 消費課税…使った
これを踏まえて税金の種類を確認します。
【所得課税/国税】
- 所得税(直接)
- 法人税(直接)
- 地方法人税
- 地方法人特別税
- 特別法人事業税
- 森林環境税(令和6年度~)
- 復興特別所得税
【所得課税/地方税】
- 住民税(直接)
- 事業税(直接)
♢
【資産課税等/国税】
- 相続税・贈与税(直接)
- 登録免許税(間接)
- 印紙税(間接)
【資産課税等/地方税】
- 不動産取得税(直接)
- 固定資産税(直接)
- 特別土地保有税
- 法定外普通税
- 事業所税
- 都市計画税(直接)
- 水利地益税
- 共同施設税
- 宅地開発税
- 国民健康保険税
- 法定外目的税
♢
【消費課税/国税】
- 消費税(間接)
- 酒税
- たばこ税
- たばこ特別税
- 揮発油税
- 地方揮発油税
- 石油ガス税
- 航空機燃料税
- 石油石炭税
- 電源開発促進税
- 自動車重量税
- 国際観光旅客税
- 関税
- とん税
- 特別とん税
【消費課税/地方税】
- 地方消費税(間接)
- 地方たばこ税
- ゴルフ場利用税 (間接)
- 軽油引取税
- 自動車税(環境性能割・種別割)
- 軽自動車税(環境性能割・種別割)
- 鉱区税
- 狩猟税
- 鉱産税
- 入湯税 (間接)
【1】国税と地方税
2つの違いは課税主体にあります。課税主体は「誰が」税を徴収するのか、でしたね。
この課税主体が国であれば国税、地方公共団体であれば地方税になります。そのままです。
【2】直接税と間接税
担税者(税金を負担する人)と納税義務者(税金を納付する人)が同じだと直接税です。異なれば間接税です。
例えば旅館で入湯税を取られるのは旅館の儲けになっているわけではなくて、一旦旅館に預かってもらって地方公共団体へ納税されているということです。
基本の算定式と特例
税額計算の基本となる式は以下の通りです。
- 課税標準×税率=税額
ここで大切なのは特例についてです。特例は税金が安くなるものなので、見落とさないようにします。
特に住宅関連の税金には特例も多く、上記の式においてどの部分の特例なのかを把握する必要があります。
- 課税標準(→課税標準の特例)×税率(→軽減税率の特例)=税額(→税額控除の特例)
カッコ内に入れた用語が特例にあたります。計算式のどの部分でお得になるのか注目しましょう。
まとめ
ここまで知っておきたい税金の基本用語と基礎知識をご紹介してきました。とっても基本的な内容ですが、これを知っておくだけでも税金のことが身近になると思います。ではまた。