お庭の空いているスペースを使って家庭菜園をするのって、あこがれですよね。
ただ、いろんなサイトで調べているうちに、買わないといけない道具がたくさんありそうで、ちょっとハードルが高そうに思えたりします。
このブログの中では、農学部を卒業して、5年間農業経営をしてきた筆者が「はじめやすい」をテーマに気軽に家庭菜園をスタートできるような方法を紹介していきます。
今回の記事のテーマは「道具」です。
まずは最低限、必要な道具から家庭菜園を始めて、後から必要に応じて少しずつ追加購入していくスタイルをおすすめします。
結論から言うと「剣先(けんさき)スコップ1本」から始めてみたらどうかという提案です。以下、剣先スコップの万能さを紹介していきますので、最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
スコップの種類
スコップを購入するとき、尖ったものとか、丸いものとか、平らなものとか、いろいろな種類があるから迷うと思います。それぞれ、異なる用途があり、それに適した形をしています。
剣先スコップは「剣スコ」「剣先シャベル」ともよばれて、基本的には掘る道具です。体重をかけて刃床を差し込む必要があり、上部には足掛けがあります。
「剣スコ」が万能?!
剣スコこと剣先スコップは、掘るための道具です。
本来であれば、いろいろな道具を揃えたほうが、それぞれの役割を果たしやすいのですが、それはそれとして、最低限、家庭菜園が始められるという意味で紹介していきます。
以下に、家庭菜園の一連の流れが剣スコ一本でできることをご紹介します!
(1)庭の一角を掘って畑にすることができる
これがスタート時に一番大切な作業だと思います。
ここに畑を作ると決めて、土を柔らかくする作業です。これは「剣先スコップ」の本来の役割です。そしてこの作業は他の道具ではなかなか難しい作業です。
(2)堆肥を入れて耕せる
次にすべきは「土づくり」です。
特に最初は、「牛糞堆肥」など土壌改良できるようなものを入れていく必要があります。剣スコがあれば、畑に撒いた堆肥を、土に混ぜる作業ができます。
耕すための道具は「クワ」を使うのが本当だけど、使い方が難しい道具だし、スタート時は購入を見送ります。
堆肥をまくのは「角スコ」の仕事ですが、家庭菜園では堆肥を袋で購入すると思いますので、袋から堆肥を撒くことになると思います。そのため角スコも不要とします。
(3)堆肥袋を切れる
地味ですが、堆肥をホームセンターで買ってきて、いざ使おうと思ったときに、袋を破くのに苦労します。剣スコなら一刺しで袋を破きます。
(4)畑を平らにする
畑を平らにする作業は結構重要です。畑がデコボコしていると、水はけの悪さにつながるからです。
本来であれば、「れいき」を使って畑を平らにしていくのですが、小さな家庭菜園ですし、剣スコを使ってどうにか平らにできると思います。
(5)畝をつくる
野菜には、土を高くして(畝を立てて)育てるものと、平らなところで育てるものがあります。
畝を立てて育てる野菜としては、ナスやピーマンなどの夏野菜や、サツマイモなどがあります。
畝を立てるのは、本来であれば「クワ」を使います。この作業もスコップで代替していきます。
(6)土寄せする
土寄せは、ネギやジャガイモを作る時に行う作業です。
例えば、ジャガイモはマルチ(ビニール)を張らないで育てる場合、平らなところに芋を埋めて、芽を出します。ジャガイモは、埋めた種芋より上に出来ますので、土をかぶせていく必要があります。これが土寄せ作業です。
土寄せも本来は「クワ」で行いますが、最初のうちは剣スコで代替します。
(7)イモ類を掘る
掘る作業は、剣スコの得意な作業です。
イモ類を傷付けないくらい離れた場所に剣スコを入れて、持ち上げます。
(8)収穫後の苗を掘り出す
ナスやピーマンなどの夏野菜を育てると、冬に枯れた枝を処分する作業があります。
特に、接木苗を植えると、しっかり根を張って育つため、剣スコで掘り出す必要があります。これも掘る作業なので、剣スコの得意分野です。
接木苗(つぎきなえ)とは?
接木苗とは地上部になる植物(穂木)と、地下で根となる植物(台木)の茎をつなぎ合わせた苗。病気に強かったり、根をしっかり張って育ちやすいなどの特徴があります。
まとめ
この記事では、家庭菜園を始めるときに最低限必要な道具について紹介しました。
いろいろなホームページを見ていると、家庭菜園を始めるときにたくさんの道具を揃えないといけないような気がしてしまいます。今回の記事で紹介したのは、「剣スコ1本」から始めるという、初期投資を最小限にした方法です。
記事を読んで、「クワ」や「れいき」もあると便利だと思った方もいると思います。もちろん、道具にはそれぞれ役割があります。
少しずつ無理のない範囲で揃えていただくのがいいと思いますが「剣スコ1本」から始めてみて、追加で必要と思う道具があれば購入してみてください。最初から全部買う必要はないと思っています。
この記事が、お庭で家庭菜園を始めようと思うみなさんの参考になれば嬉しいです。ではまた。