ヤギ小屋ってどうやって作ればいいのか、どんな点に注意しながら作ればいいのか、など分からないことがたくさんありますよね。
ヤギ小屋を作る前に基本的なことは知っておきたいところです。また、言葉だけでなく実際の様子を見れたら理解が深まります。
ということで、実際に双子のトカラヤギを飼育している筆者が解説をしてみます!今回は特別に?我が家のヤギさんたちの自宅を初公開します(笑)
この記事では、我が家のヤギ小屋ルームツアー、小屋作りの基本的な考え方、をご紹介しています。
これでヤギ小屋の作り方や飼育環境で気を付ける点が理解でき、ヤギにとって居心地のよいハウスができますように!
我が家のヤギ小屋ルームツアー
うちでは小型ヤギで知られるトカラヤギを二頭飼育しています。
以下から、そんな二頭が暮らすヤギ小屋のルームツアーをしてみます。
外観
外観はこんな感じです。(↓)
見て分かる通り、もともと敷地内に建っていた家畜用の小屋をそのまま活用しています。恐らく豚小屋だったのではないか?と思います。
スペースが5つに分かれていますが、そのうちの3つをヤギの為に使っています(内訳は以下)。
- 部屋1
- 部屋2
- 道具やエサ置き場
床はコンクリートで、周囲には溝があり、水の通り道があります。建物の上部には屋根が付いていて、幸い雨漏り等もなかったため手直しはしていません。
部屋1
まずドアを開けて入ります。ちなみにドアは手作りです。小屋の周囲にかかっている網のようなものは、虫除け対策のためのネットです。
通気性が良い網戸のような素材です。小屋の上の方からぶら下げて、カーテンのように使っています。
部屋の中はこんな感じです。(↓)
部屋の中にさらに部屋がある感じです。ヤギたちはこぢんまりしたところで寝るのが好きで、このような狭い空間(寝床)があると落ち着くみたいです。
ただし湿気に弱いので、床はブロックやカゴを使って底上げしています。こうすると通気性が良くなります。
エサ箱は、ヤギの首の高さくらいになるように、コンテナをホースで結んで設置中です。もともと家畜用に備わっていたエサ入れも活用しています。
通路・庭
部屋1から自由に外に出られるようになっています。
外へ出ると、通路と庭があります。庭の周囲にはワイヤーメッシュと木杭を固定してあるため、広範囲で自由に動き回れるようになっています。
庭では好きなタイミングで、好きな草を食べています。高低差がある崖でも、ヤギたちはぴょんぴょん行ったり来たり、山登りは得意です。
通路沿いの土があるところに、おしっこをした跡やフンがよく転がっています(毎日お掃除して撤去)。ヤギたち的には、なんとなーくこの辺りがトイレなんだと思います。
雨が降っていなければ、大体通路の決まったところ(土の上)におしっこしています。
部屋2
通路からもう一つの部屋へ行くことができます。
こちらの部屋は、特に何も設置していませんが、ヤギたちが二頭で遊んだり、休憩するスペースになっています。
二頭でじゃれ合うと、ぐるぐる円を描きながら頭同士をごっつんこする遊びをするので、そういう時に広い空間があると良いみたいです。
特に雨の日でヤギが外に出たがらない日は、部屋1と部屋2があることで広さを確保でき、ストレス発散になっているのではと思います。
ちなみに部屋2にも手作りのドアが付いています。
運動場
通路の先を抜けると、運動場へと繋がっています。ワイヤーメッシュと木杭で囲まれていますので、自由に動き回れます。
写真奥に見える大きな木の下でお座りしたり、眠ったりしていることもあります。
夏は運動場に雑草が生えがちなのでたくさん食べてもらいたいところですが、たまに草を刈ってあげないと、歩きにくいようです。草を刈ってあげると草の匂いに誘われて、食べに来たりします。
運動場の崖を登ると、小高い丘に繋がっています。丘の上で草を食んでいることもよくあります。
道具・エサ置き場
ヤギは入れませんが、私たちが使うための道具とエサ置き場があります。
牧草が入る大きなボックスは非常に便利です。牧草のほか、蚊取線香やその他の道具を入れることもできて重宝しています。
エサを取るためのコンテナや鎌、ブラッシング用のブラシなど、ヤギの必要な道具一式はこのスペースに置いてあります。
小屋作りの基本的な考え方
小屋は大まかに4種類考えられます。
- パイプハウス…多頭飼い向け
- 軒下利用…建物の軒下(屋根部分)を延長して活用
- 屋外設置型の小屋…犬小屋の拡大バージョンを設置するイメージ
- 家畜小屋の改造…我が家のパターンです(ルームツアーを再チェック!)
※それぞれ運動場にアクセスできる状態にしておく
また、小屋を作るにあたって、いくつか大切なポイントがあるので記載しておきます。
スペースは十分に確保
一般的にヤギの居住スペースは1頭あたり、最低以下の数字は必要とされています。
- 寝る場所で1坪(3.3㎡)
- 水・エサ箱・通路などを合わせると2坪(6.6㎡)
- そのほか運動場が8㎡
湿気対策を万全に
例えば、小屋の壁は一面を覆ってしまうのではなく、隙間を作り、風通しが良くなるように工夫します。
コンクリートブロックを両端に置き、その上にすのこを敷くなど、床から30cmほど離れた高床にして居住空間を作れるとなお良しです。
暑さ寒さ対策を万全に
ほどよく日光浴ができる環境は大切ですが、ヤギは直射日光が苦手です。夏は熱中症にもかかりやすいので、必ず日影がいつもある状態にしておきます。
冷え込む冬は、北風が直接当たらないようにコンパネ等を使い、風よけを作ります。夏と冬で小屋の仕様を変化させてあげる必要があると思います(うちではそうしています)。
雨対策を万全に
ヤギは雨や水気が大嫌いです(乾燥地を好んで、低湿地を嫌う性質があります)。
雨露が小屋になるべく入らないように、軒を長めに作ってあげると親切です。また、湿気対策と重なりますが、雨だと床が湿りやすいのでなるべく高さのある場所を作ってあげると良いです。
まとめ
ここまでヤギ小屋の作り方と、飼育環境の基本をご紹介してきました。ヤギたちに幸せなおうちと思ってもらえるように、頑張りたいですね。ではまた。
2023年8月、ヤギの電子書籍を出版しました!
本ブログの内容を大幅アップデートし、一冊の体系的な教科書としてまとめました。
編集さんとともに丁寧に仕上げましたので、すでにヤギを飼っている方も、これから飼う方も、ぜひお手に取っていただけますと嬉しいです。
(2024/11/20 22:27:37時点 Amazon調べ-詳細)