簡単なプロフィール
名前:きくちさき

1990年生まれ、神奈川県出身です。
生まれたところはロサンゼルスで、5歳までアメリカで過ごしました。後から聞いた話ですが、初めて飛行機に乗ったのはお母さんのお腹の中だったそう。
小さい頃から泣き虫で、親戚からのあだ名は本名の「さき」とかけて「泣き」。小学校のときに行った修学旅行は、たったの一泊二日だったのに、お母さんに会いたくて、寂しくて、また布団で泣きました。
こうして「泣き」は成人と言われる20歳くらいまで、お父さん、お母さん、ペットたち家族で多くの時間を過ごしました。
都内の私立大学へ通い、環境社会学を学びました。卒業後OL生活を経て、結婚をしました。現在は古民家に住みつつ、農家民宿と小さな不動産屋を始めるべく、あれこれ準備中です。
早かった結婚へのあこがれ
アメリカにいた頃に見たアニメは大体外国のものでした。なかでもDisneyは大好物。

Disney映画は必ずと言っていいほど、ヒロインとヒーローが出てくる。波乱万丈な時間を共に過ごし二人で幸せになりました、めでたしめでたし、といった展開が多いです。
「大きくなったら素敵なヒーローと出会って、結婚したい!」
そんな願いが生まれるのは自然な流れで、結構早い年齢でそう感じていたと思います。メディアの力の大きさに驚きます。
その他に大きな影響を受けていたのは、休日いつも一緒で仲良しの両親の姿だったかもしれません。
年末には一緒にお餅をついて、年始には初詣に行き、お盆休みはキャンプする、冬休みはスケートする、何でもない土日は朝からガーデニングをして、お庭でバーベキュー。
子供が言うのも変だけど、仲良しな二人だな、家族っていいな、と結婚に対し肯定的な感情を持っていました。
選んできたもの、選ばなかったもの
20歳を過ぎても小さい頃からの泣き虫は治らず、心配性、不安症、胃酸過多などいろいろな形で現れました。
石橋を何度も叩き、割れないと分かってもまた叩いて渡るタイプになりました。自分で自分が面倒くさくなります。
社会人になって、「自分はさっさと結婚した方がいい」と気が付いた時期がありました。お局さんがいる会社に嫌気がさして、ふと自分の人生を見つめる機会があって。
「これまで自分は何を大切に生きてきたんだろう?」答えは簡単でした。
「家族と彼氏だ。」
就職したときは、家族の近くにいられる職場を選びました。転職したときは、彼氏と共に過ごす時間を十分にとれる職場を選びました。引越しのときは、両親と彼氏の家のちょうど真ん中にある駅を選びました。
やりたいこと、変えたい世界、見せたい姿。そういった夢や野望は自分にとっては二の次で、「家族や彼氏と一緒に過ごす時間」の優先順位がなるほど最も高かったのか、と気が付きました。
人生の選択の積み重ねを客観的に見て、「本当に大切なもの」が浮かび上がってきた感覚がありました。
旅して見つけた素敵な夫婦たち
「家族愛を大事にした生き方がしたい」と感じてからは、旅行好きなことも重なって、夫婦で経営されている全国の民宿に泊まりに行ったりしました。
結果、ものすごく理想の生活を営んでいる人たちが日本中にいることが分かって。特にお気に入りだった民宿は、長野県小谷村にいらしたご夫妻。(今はもう民宿はたたんでいます。)
豪雪地帯で大変な生活だと思うけれど、二人でドイツパン屋さんを営んでいました。庭には山羊を飼っていて、子供も二人いて。
「ケンカすることもあるけれど、幸せに生きているよ。」
力強く、あたたかいメッセージをもらって、自分のなかの家族愛、そして夫婦像がむくむく出来上がってきた気がしました。
“あたりまえ” を疑う夫との出会い
そうこうしているうちに夫と付き合い、結婚することになりました。

寂しがりやで泣き虫という自分の姿を晒したり、理想の夫婦像についてワガママいっぱいに話したり、それでも一緒にいたいと言ってくれ、今日に至ります。
結婚の話が出たときに、もちろん話し合いで避けて通れないのが「結婚式」についてです。
当初わたしたちは、モルディブあたりでフォトウェディングが出来たらいいよね、と話していました。夫の一言があるまでは。
「写真展はどうかな?」
型破りな意見に驚きつつも感心し、一緒にたくさんの時間を過ごせ、形にできるなら本気でやってみたいと伝えました。夫との出会いは、「柔軟で優しい考え方」との出会いでもありました。
二人で考えた新しい結婚の在り方
結婚式を写真展でやることが決まってからは、たくさん話し合いました。

新しいことに挑戦するのには型がないし、コーディネーター的存在もないため、いろいろなことが手探り状態です。
意見が割れることもありました。例えばわたしは、「通常の挙式には神父さんが付いて誓うけれど、手作り結婚式だとそれがなく、誓いがなあなあになってしまうのではないか」と感じてしまったのです。それについて夫は、「そうしたら事前にお互い何を誓いあうのか、考えて宣誓しあおう」と提案してきたのです。
このように意見が割れても諦めず、二人で話し合うこと、向き合うことで、ひとつひとつの疑問符が取れていったのだと思います。夫の「あたりまえを疑う精神」に何度も助けられました。
結婚式は最初の作品で、これから人生を通し、たくさんの作品を二人で作っていきたいと思っています。
不器用だけど、ともに試行錯誤する時間、ともに笑う時間、ともに話す時間、こんなものが日々の幸せを作るのではないかと、これからも信じて歩いて行きたいと思います。
1990年生まれ。神奈川県出身。
人生選択の積み重ねを振り返ったことを機に、より家族愛を大事にした生き方をしたいと思うようになる。
たくさんの人たちに、目の前にいる人や目の前に転がっている現在を愛して欲しいと思っている。