ボランティア活動を行うことについて、様々な意見があります。偽善ではないか、就活が有利になるという理由で大学生が参加しているのではないか、有償で行うべきではないかなどです。一方、感謝の声や、体験した人がやりがいを語る場面も報道されます。
筆者は、2008年から地元の環境団体で、子どもたちを対象とした環境学習・体験のボランティア活動を行っています。活動は毎月1回あり、そのための連絡業務・お知らせの作成・活動報告などを行っています。
周囲からは、休日にボランティア活動をする理由をよく聞かれます。そこでボランティア活動に参加する人は、どのような理由で参加するのか、私自身の考えを中心にまとめたいと思います!
この記事では、ボランティアとは何か、市民活動とは何か、筆者の活動について、ボランティアを続ける理由、をご紹介しています。
ボランティアってなに?
ボランティアは、自らの意志で公共性の高い活動へ参加する人のこと。またはその活動のことを指します。
日本では、無償の場合が多いため、有償のボランティアを「有償ボランティア」という場合があります。文部科学省はボランティア活動の基本理念を定めていて、公共性、自発性、先駆性の3つが掲げられています。
一方、似た言葉に「市民活動」があります。
市民活動は、社会の課題を解決するための、市民による活動のことです。
「ボランティア」と「市民活動」は重なるところもありますが、完全に一致する言葉ではないと考えてください。
筆者の活動について
筆者の活動は、ボランティアの市民活動です。
NPO法人霞ヶ浦アカデミーという団体で、子どもたちへ環境体験の場を提供しています。具体的には、魚とりの体験や、カヌーなどの水と親しむ機会を提供しています。
当日の対応だけでなく、事務的な作業も行っており、月1回の活動日だけでなく、休日や勤務後の時間を費やしています。
ボランティア活動を続ける理由
【1】リフレッシュできる
筆者は普段デスクワーク中心の仕事を行っており、週末に身体を動かすことでリフレッシュできます。
身体を動かし、疲れてぐだーっとすることも多々ありますが、ボランティアをすることが運動になっています。
ただ、同活動を行わなくても、庭仕事など体を動かす機会は多くあります。他所で体を動かさないで、家の草刈りでもしなさいという指摘(自問)もあると思います。
【2】学びの場が提供できる
筆者は10歳の頃に、地域の人たちが運営していた環境学習イベントに参加していました。いまの活動も、そのうちの1つです。
筆者が活動を続ける理由の1つには、自身が地域から提供してもらっていた活動を今度は提供する側になるという気持ちがあるからです。
【3】住みやすい地域づくりに貢献できる
私たちは一人の力で生きているわけではなく、公共サービスの提供を受けて暮らしています。
都市部においては、地域住民が手を出す余地がないくらい自治体によるサービスが行き届いているため、気が付かないことが多いと思います。それは「住みやすい地域を作るために自ら働く」ということです。
地方においては、この精神が当たり前にあります。例えば、私が暮らす町の班(地域の最小単位)では、クリーン作戦(ゴミ拾い)や夏の奉仕作業(草刈り)があります。また、ゴミの集積所の清掃を交代で行っています。
子どもたちに環境体験できる場を提供する活動も、同じだと思っています。地域住民のそれぞれの想いが地域を作っていると感じます。
【4】ビールがおいしい
ボランティア活動を終えた日は、程よい疲れと達成感でビールがおいしいです。
【5】新しい人脈が作れる
これはボランティアを続ける理由とは違い、副産物だと思っています。活動を通していろいろな方と出会い、たくさんの学びになっています。
【6】スキルが身につく
これも副産物です。自分が経験できないことにチャレンジすることができ(やらざる得ないことになり)、自然とスキルが身につきます。
筆者の場合は、PowerPointを使ったチラシの作成が上達したことや、決算資料を見よう見まねで作れるようになったこと、カヤックに乗るのが趣味になったり、生き物の名前に少し詳しくなりました。
【7】何かが生まれるかもしれない
いつもと違う活動をすることは、新しい何かを創造する可能性を見出すと思います。
それは参加者同士の出会いによるものであったり、いつもと違う思考をすることで生まれるアイデアだったりします。何が得られるか分かりませんし、それは人によって異なります。
得たいもののために参加するという思考では得られないものを、生じさせてくれる一つがボランティア活動だと思います。
まとめ
ボランティア活動について見つめるきっかけとなってくれたら嬉しいです。
筆者の活動は、地域の自然環境を考える団体でのボランティアであり、市民活動であります。運営側として活動しておりますので、参加者としてのボランティア活動と意見が異なるかもしれません。
参加しないと得られないこの感覚を、全て文字にできたとは思っていません。ぜひ1度参加してみて、それぞれが新しい何かを得てもらえればと思います。